第2話 YouTudoとYURINDO
「ここがYouTudoの及ばない聖地とはいえ、OKミューズコットンを
何言ってんの、と
しかし、老いた男の後ろに寄って来た者達が怪しむ視線を
「おい、今度は大丈夫か? 怪しくないか?」
「お前にはあの方の握る光が見えないのか!?」
彼は
「まさか!
ざわめきが起こり、彼らは互いを
――えぇぇぇ!? もしかしてVR? めっちゃくちゃ科学技術、発展してるんですけどぉ!? なんでガラスペンがロストテクノロジーな訳? ついでに私の決死のウォーキングの意味はっ?
「ご安心ください。これはYURINDOの
ブッコローの驚きを勘違いしているらしい年寄りは笑みを浮かべ、隣室へと彼を
そこは古いが、
「すっげぇ! ストライプとボーダー混ざってるぜ!」
「しっ! 使者様に失礼でしょ!」
幼いやり取りにブッコローも思わず目を細めた。勧められた席に座った彼の前には
この世はYouTudoとのみ呼ぶことが許される絶対者の体である楽園。
それが民の認識だった。YouTudoは何もない箱を町にし、部屋にし、一瞬にして荒野にもできる。
住民がその箱の与えられた区画で規律通りエネルギー生産に
その物の中でも紙は
YouTudoは紙を取り上げ、筆記する技術を徹底的に排除した。
しかし、YouTudoは神ではない、という伝説を持つのがここにいる者達であり、特異点より絶対的に君臨するYouTudoの弾圧からYURINDOが守るこの小さな一画を聖地と呼んでいるらしい。
――うわぁ、嫌な予感しかしねぇ……ラブコメの世界線が良かったんだけどなぁ。
ブッコローは重々しく
「YURINDOの加護の下、私達は
「いや、私はそういうとこから来たので罪と言われても。皆、幸せそうだったし」
ブッコローは考えるより先に答えていた。キムワイプに目を輝かせ、どんぐりの粉で想像上の食物を作り始める有隣堂の社員達の、楽しそうな珍獣ぶりは死んでも忘れられない。
それを聞くや喜びの波動は広がり、長老は涙を浮かべて
「やはり貴方様で間違いなかった。ご覧ください。我が一族に
変色しながらもイエローを保つ鮮やかな紙はOKゴールデンリバー。
そこに大きく描かれる顔は
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