第4話 とりあえず大丈夫
僕らは妖精界に着いた。ふわふわの世界。なつかし気がした。やっぱり僕は妖精だったのか。「ケイタ、こっち、こっち。」ピンクが呼ぶ。
妖精学校の門が見えた。ダルが「ケイタ君、ピンク、僕は行くよ。またあとで。」「はい。」ダル教官は職員室へと向かった。「ここがピンクの学校か。」まわりはピンク色のサクラが咲き誇り、花びらがやさしい風になびいてる。「そうよ。素敵な学校でしょう。ほらみて、ここを押すと」ふわふわのたんぽぽの帽子が風船のように飛んでいく。噴水は七色の水の色が光にあたりキラキラ輝いている。人間界にはない光景だ。「ピンク、卒業式はじまるよ」友達がピンクを呼ぶ。「ケイタ、またあとでねえ。」ピンクの友達がざわめいている。「ピンク、あの素敵な妖精さんは誰?」「秘密。」「ピンク,その銀のネックレスは?」ピンクは握りしめて、はずそうとしたが外れず。ささやくような低い声が聞こえた。『未来の僕の妃、ピンク。悪い子ですね。ネックレスは外れないよ。もうすぐ迎えに行きます。』「きゃー。」ピンクは思わず叫んだ。僕は思わず駆け寄り、ピンクを抱き抱え「ピンク、大丈夫か。ピンク。」ピンクは、ハッとして「大丈夫。蜘蛛の妖精界のビージョン国王の声がしたの。ちょっとびっくりしただけ。大丈夫よ。卒業式はじまるから。じゃ。あとで。」僕はピンクを下ろした。ピンクはみんなの輪の中へ。ピンクの友達が「ピンク、ほんとうは誰なの?」「ピンクの恋人?」「とーってもイケメンの妖精さん。」
僕は聞こえないふりをして、ゆっくり移動した。“僕が妖精さん?”僕はさっきの七色の噴水に姿を映した。「えっ。羽根が生えてる。」「パタパタ」動かせる?「えっ、どう言うことか状況に頭がついていかない。」「どうしたかね、少年。」やさしい声が背中から聞こえた。振り返るとママに似た目のおじいさん?ちがう。サクラの妖精界の国王が立っていました。「大きくなったな、ケイタ。小さい頃は、バイオレットとよく遊びに来ていたが。」「国王、僕のおじいさまですか。」「その通りだ。元気だったかな。」「はい。元気でした。」今回は友達を守るために妖精界に来ました。」「事情はバイオレットから知らせがあった。私で出来ることがあれば、言いなさい。」「家来のハックをつけておく。」「ありがとうございます。」そう言うと国王は風の精霊と共に消えた。「ケイタ様、ハックです。何なりとお申し付けください。」僕は僕と同じくらいの年のハックに「ありがとうハック。じや早速僕の名前はケイタ。呼び捨てで頼む。」「はい。恐縮ですが、そう呼びます。」「あと、普通にタメ口で頼みます。」「わかりました。すいません。わかった、ケイタ。」「ハック、君はとても強そうだね。殺気が伝わってくるよ。」「ありがとう、ケイタ。これでも国王直属の戦闘部隊長なんだ。」「へえー、やっぱり。ハックの力がダダ漏れてる。」「そう?これでも隠して抑えている方なんだが。」「ハック、こんなに平和なサクラの妖精界で戦はあるかい?」「あー、あるよ。ここは平和な妖精界で資源も豊富にある。僕らの木は燃料や資材、実は食料になる。ここを支配したいと考えているデビル界側の妖精たちはたくさんいる。先日はムカデ界の妖精軍がサクラの木の皮を食い散らして大変だったよ。」「それはほんと、大変だったね。」「まあな。でも僕らも強いし、国王もとても強い。しかし、これはナイショだぞ、君のママのバイオレット姫は最強だ。強いし。怖い。相手を一撃だ。」僕は、なんとなく想像がつき。「そうなんだ。」ママもちゃんと役に立っているんだ。よかった。と心の中で思った。「きゃー。」「きゃー。助けてー。」卒業式の式場から生徒たちの声が聞こえた。時空空間魔法で蜘蛛の妖精界のビージョン国王たちが乱入していた。ピンクの銀の魔法の蜘蛛のネックレスが紫と黒に光だし、ピンクの首を絞めつけ始めた。低く、おそろしい声で「みなさん。卒業おめでとう。私は、デビル界のホープ、蜘蛛の妖精界のビージョン国王です。みなさんにお祝いを伝えに来ました。いや、申し訳ない。言い間違えました。みなさんを支配するために来ました。それに今日は、私の未来の妃、ピンクの卒業式です。お祝いの日に争いごとは好みませんが、妃が逃げそうなので来てしまいました。」ピンクが「蜘蛛の国王ビージョンあなたの妃にはなりません。」叫びました。それを聞いたビージョン国王は豹変し、巨大な蜘蛛の姿になり、式場、学校校内を荒らしだしました。僕と、ハックは「行くぞ。」との声と同時に空間瞬間移動。巨大なエネルギーで蜘蛛の妖精たちを仕留めていきました。残るは、蜘蛛の国王ビージョンのみ「きゃー。」ピンクを抱きかかえ、人質に。「ピンクを殺されたくなければ、攻撃をやめるんだな。」ピンクの蜘蛛のネックレスが少しずつピンクの首を絞めつけていく。僕は叫んだ。「やめろーWooo----」僕は、光の全エネルギーで攻撃した。蜘蛛のビージョンは、目がくらみピンクがするりと逃げ出した。ハックのすさまじい攻撃。僕はピンクを駆けつけたダルに託し、攻撃に戻った。ハックとサインを出し合い蜘蛛のビージョンを挟み撃ち。光エネルギー放射。光は空を打った。上空グレーの空から低い恐ろしい声が「サクラの妖精界、私はあきらめない。私が支配する。ケイタ、次はお前を必ず仕留める。ピンクは私の妃にする。」声は空に響き渡りそして時空空間に消えた。ピンクの蜘蛛のネックレスが「プチン。」と切れた。「自由だわ。」僕とハックが、かけよった。「ピンク、大丈夫か?」「え、私は大丈夫。」僕は立ち上がり、
ダル教官「大丈夫でしょうか。」
「今のところは。大丈夫・・・だと思います。」「そうですか。今のところは。」
ピンクが不安そうな目で僕を見た。
僕は明るく「大丈夫。僕がいる。」笑顔で答えた。ピンクの目が笑った。
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