第一章 突然の出会い

「もしもし?色葉?私よ、桃子。今度入院することになってさ、ブッコローさんのところに一ヶ月だけ来てくれない?一ヶ月、代理の嫁。よろしく。」

「あっ、えっ、お姉ちゃん?はぁー、電話切れるし。」

私の姉・桃子は体が弱い。

最近風邪をこじらせてしまい、入院することになったらしい。

ブッコローさんとは、私の姉の夫で鳥だ。

ミミズクでYouTube のMCをやっている。


「こんにちはー。」

「いらっしゃい。私がブッコローだ。一ヶ月間よろしく。」

鳥だけど人間の言葉が話せるらしい。

「本屋色葉です。よろしくお願いします。」

それから二人の生活が始まった。

ブッコローさんのYouTube を観て、がさつで口が悪いイメージだったけれど、本当は綺麗好きで、優しいことを知った。

実家にいるときよりも居心地が良かった。

「そういえば、桃子の具合はどうだ?元気そうか?」

「はい。この間行ったときは、いつも通りのトゲトゲした口調で話してました。」

私の姉は地元一の美人なのだが、とんでもなく口が悪い。

しかも人の言うことをまともに聞かない。

「何で色葉は、桃子と違ってそんなに礼儀が良いのか。不思議だな。」

「ありがとうございます。でも、私は人として当たり前だと思ってやっているので。」

「素晴らしい人間だな。そういうところ、好きだな。」

「えっ。」

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