2023.3.12 スクールカーストの話とか、好きだった子の話とか

 で、またスクールカーストの話に戻るわけなんだけど。

 カーストの下位に行くといじめられる側に落ちやすい、のだそうだ。ちなみに、私はいじめられる側になりやすい人間なわけだが……。

 このカーストに関係してくるのは、容姿とコミュ力だ、という話があるらしいんだが、どうなんだろう。


 コミュ力のなかでカースト上位に行くために大きな要素を占めるのが、「自己主張力」と「同調力」で、「共感力」は関係ない……というようなことを書いたサイトがあった。

 これは私には目から鱗だった。私の場合「同調する」イコール「共感している」だったからだ。共感してもいないものに同調するということを、今まであまりしてこなかった。相手を否定しないのがせいぜいで。


 今の会社が、中高以上にこういうカースト的な構図がある集団なんだけれど、他の人の悪口に同調しきれない派遣さんは、確かに、どちらかというといじめられるほうに転落しがちだった(最終的にやめてしまう)。

 このまえやめてしまった方は、だいぶ女性陣にキツく当たられるようになってやめてしまったわけだが、「この会社は結局、悪口を一緒に言わないと、ここに居られないんですよね。誰かの悪口をちょっと一緒に言ったときだけ優遇されたけど、そうしなければ居られない」と言っていた。


 ちなみに、私は、悪口を言うとき、共同発信ではなく個別発信である。悪口を全く言わない人間だとよく言われるけれど、そうでもない。自分が猛烈に腹が立った時には、社外の友達に愚痴ったりもする。

「会社でこんなこと言われてストレスで痔になったワ! あいつもなれ、命にかかわらない程度の穴痔になってしまえ~~! 穴痔だ穴痔!」

ぐらいの事は言う(穴痔のかたはすみません)。


 でも、自分が嫌いでもない人間の悪口を、一緒に盛り上がって言う気にはなれない。悪口言うほどストレス溜まりきっていることには共感するし、「そんなこと言われたんだったら、そういう気持ちにもなるかもですね~~」ぐらいは合わせても、「そうそう、私もあいつムカツクと思ってた~~! いいよいいよ、一緒に無視しよう」まで行かない。

「銀色さんは○○さんと仲良かったですもんね。すみません、こんな話して」と言われてしまったこともある。会話している相手の気持ちに合わせきれていないのが、たぶん相手にも伝わっている。


 ただ、今会社にいるモラハラぎみの、いわゆる「一軍」の人間には、どう頑張っても同調しきることはできない……と思う。聞こえるように言う悪口を一緒になって言うの、本気で嫌なんだよね。

 せめて、悪口以外の、本当に共感した内容にだけは、「そうそう!」みたいな反応を返すのは、処世術としてもっと増やしてもいいのかも……とは思った。そういうコミュ力は欲しい。


 ところで、容姿がカーストに関係しているという話だが、これは、私は、もとの造作よりも「後付け」の部分が大きいように感じている。髪をいじって化粧して、見るからに美に対してわかりやすく努力している女性は「可愛い」と同性に好かれやすいが、「素」の顔がアイドル並みに可愛くても、野生のままにも見えるすっぴん美人だとあまり一軍のイメージがない。

 今の会社でも(やめてしまったが)アイドル並みに可愛い子がいたが、一軍の中にいる感じはなかった。いじめられやすいほうだったと思う。(創作好きで、私とは気が合ったので、漫画の貸し借りをしまくっていた)。創作好きというオタクっぽさがあると、一軍にはならないのかもしれない。


 私が高校の時に好きだった子も、いじめられる側に転落することもあるタイプの子だった。彼女の場合、可愛いからいじめられる、という部分もあったかもしれない。

「小説書きさんと、ふたり」41話で書いた、「あおい、なんで唯花といつも一緒にいるの。あたしはやだ。あの子と一緒にいると、引き立て役になっちゃう。」というセリフは、実際に私が言われた言葉だ。


 でも、可愛くても、一軍の子は、いじめられていなかったと思う。

 一軍では、同じグループの子のことを、「〇〇ちゃん可愛い~~」「その〇〇(持物や化粧)いいね!」と褒めるような話題があった。

 私の好きだった彼女が、「(外見が)可愛い」、と言葉で同性に面と向かって言われているのを聞いたことがない。(私言ったっけ? どうだっけ?)ラブリーって感じ、ぎゅっとしたくなる、と他の子に言われているのを聞いたことはあるが。


 だいぶ可愛かったと思う。そう感じるのが、惚れた欲目なのか、本当に可愛かったのか、好きすぎたので、判断できない。

 たぶん、見た目だけで好きなわけでもなかったと思う。性格でもないかもしれない。彼女からは何か、「触りたい」という感覚で人を引き付けるものが出ていたような気がする。抱きしめたくなるというか。

 可愛かったが、わかりやすく化粧を楽しむタイプではなかった。


 彼女は化粧水も乳液も使わなかったが、石鹸の泡立て方にはこだわりがあった。「きれいになりたい」という雑誌を熟読していて、「朝に魚を食べる」だとか、素肌をきれいに保つためのライフハックは実践していた。服も、自分に似合う素朴な色合いの服を精査して着ていた。


 が、わかりやすく流行りのファッションに飛びつくことがなかったし、そういう話題で盛り上がることもなかった。完全に「素で勝負」派で、素を上げるための努力を、見えないところでしていた。

 多分、男性に本当に「外見が可愛い」と言われるのは、そういう素肌派だ。


「オトコって、素肌のままがいい、化粧のケバいのはイヤだとか言うくせに、結局化粧しなくても美人なコがいいってことでしょ! 勝手だよね~!」なんて話が女性同士の会話で出ると、

「そうだそうだ~~、こっちはどうすりゃいいってんだ~~!」

 なんて共感しながら、こうも思う。

「チューするときに、キツい化粧の匂いが漂ってくると、ちょっと粉っぽさみたいなの感じるし、スキンシップするときは化粧はないほうがいい、素肌に近い状態であればあるほど、イイのはわかる!」


 グロスでプルプルの唇は美味しそうに見えるけど、かといって、化粧品舐めたいわけじゃないもんね……(すみません)


 まぁそんなわけで、彼女は化粧っけのない素肌美人で、美人だったが一軍にいるタイプではなく、いじめられる可能性のある子だった。

 私も彼女も演劇部に所属していたが、「いじめられている人の演技」をしてみせたときの、彼女の演技のリアルさといったらなかった。

 泣くでもなく、困って見せるでもなく、人からのキツイ視線を浴びながら気にしていないふりを装い、背筋を伸ばして周りの視線を無視する、ただただ無言……という静の演技。ピリピリした緊張感が伝わってくるようで、私が見た彼女の一番の名演技は「それ」だったんじゃないかと思う。


 日記書いてたらもうこんな時間か。昔の話を思い出しすぎた。それではまた……。

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