第7話 リーダー決定

「なんだと、リーダーにたてつく気か?」


 なんだこいつは?

 マンジーニの時は納得したくせに。

 ルデスはそう思った。


「俺がリーダーになる!」


 ルデスの宣言に驚く一同。


「はぁ? お前何言ってんだ」

「俺はゲームに熟知している自信がある。これからどんなゲームが行われるかも何となく想像出来ている」


(ある程度口から出まかせを言った方がいい。俺はこの中の誰よりも色んなゲームをしている自信がある。だから、俺がリーダーになる方がいい。ポートは自分勝手すぎる)


「お前、何の根拠があってリーダー何て言うんだ?」


 疑ってかかるポート。

 皆も俺を不安そうに見ている。

 ひそひそ話始めた。

 その会話から、ルデス以外の四人は恐らく現世で知り合いなのだということが感じられた。


 切り札を出すか。

 ルデスは決心する。


「俺は、『銀の翼』の神メンバーの一人、閃光のムネタカだ!」


「え!」


 その言葉に反応したのは僧侶のマイ。


「え! あの! ムネタカ……さん?」


 マイの顔が赤くなる。

 ルデスを見る目が変わった。

 それは恋する乙女の瞳だった。


「ああ、高難易度レイド・暁の墓標を最速クリアしたのは俺さ。全クエストをクリアした黒猫旅団ってギルドは俺が作った。あのギルドはもう俺の手を離れたがね」


 ルデスは銀の翼での功績をチラッと述べた。

 それだけで、マイは震えている。


「あの、憧れの! 嬉しい! 私、ムネタカさんと銀の翼でいつかお会いしたかったんです。それがこんなところで!」


 闇に希望の光。

 今のマイはそんな心境だろう。


「銀の翼ってあのムズイって噂のオンラインゲームよね。それの選ばれしプレイヤーってこと?」


 フィリアがルデスをじっと見る。


「すげーじゃん」


 マンジーニがルデスを睨む。

 嫉妬が混じった感じの視線。


「はいはい。分かったよ。そんなにすげーならリーダ、やってもらおーじゃーないの。ただし、相応しい行動を取らないと従わないよ」


 ポートが不貞腐れた感じで言う。


「じゃ、お言葉に甘えて」


 ルデスはため息をつきながら言う。


「じゃ、俺は騎士になる」


 銀の翼でも騎士だった。

 ここでも騎士を選ぶ。

 騎士という職業は、どのゲームでも万能なはずだ。

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