こんなの望んでないよ?

LAYLA

第1話 初めての彼氏

子供の頃から海外に憧れていた私は、外資系の会社に就職した。

数年務めた後、海外支社に派遣される事になった。

ついに子供の頃からの夢が叶う!私は嬉しくてたまらなかった。


転勤が決まってから1か月後。

空港に降り立ち、タクシーを捕まえて新居へ向かう。

この国の言葉は、学生時代から習ってきたし、仕事でも使う事が多いので、ある程度の自信はあったが、本場でもちゃんと通じるのか不安も少しあった。

でも、不安は無用だったみたい。

ほっと胸を撫でおろす。


着いたのは土曜日、仕事は月曜日から、私は土日に観光をしまくった。

たまたま入ったレストランで、シェフが声をかけてきた。どうやら私が好みだとか…。日本とは感覚が違うのかな、誇れるものではないが、私は生まれてこのかたナンパなんてされた事ないし、彼氏もいたことがない。

そんな私に着いて2日目でナンパ。驚いた、どんな人か知らないけど、とりあえず冒険したくてOKした。


そして出勤初日。人生初彼氏、憧れの国で仕事と絶好調な私はウキウキだった。

仕事を難なく済ませた私は、彼が働いているレストランへと急ぐ。

夢じゃないよね、今日会ったら「誰?」とか「あんなのこの国の冗談だよ!」とか言われたりしないかしら…?私は少し焦っていた。


彼のお店が見えた。

彼はちょうどゴミ出しするところで裏道に行くようだ。

私も裏道に入り彼に声をかけようとした。

「ん?」そこにはウェイターがいた。そして私の彼とキスしていたのだ…。

「嘘でしょ?」思わず口から言葉が漏れた。

彼は私の声に気付き振り向いた。

何か言い訳でもするのかと思ったが、彼は笑いながら「おー!来てたの?あ、これ俺の彼氏のジョシュア。ジョシュアこっちは俺の彼女のアミ。」と紹介してきた。

どうやら彼は性別問わず恋愛できるタイプだったらしい。

私は「初めての恋愛がこんなぐちゃぐちゃしたのは無理!」と言って立ち去った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

こんなの望んでないよ? LAYLA @layla_layla

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ