ぐちゃぐちゃがキーでした
ふもと かかし
ぐちゃぐちゃがキーでした
ある日資産家の友永浅次郎が殺された。彼には20歳下の嫁である明美がいたのだが、事件後に彼女は行方を晦ませていた。第一発見者は彼の嫁の母と兄だった。
「お巡りさん、お願いです。娘を探して下さい。きっと彼を殺した犯人に連れ去られたのでしょうから」
嫁の母親は涙ながらに警官に訴えた。
「そちらもちゃんと捜査していますから。その為にも、浅次郎さんの発見時の様子を詳しく教えて下さい」
警察署での事情聴取が進んで行く。
一方、捜査本部では。
「マル害の持ち物から発見されたメモです」
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ぐちゃぐちゃ⇒英(形)数
財殺嫁殺嫁産さのさのをれ兄れ母狙たはたはっ時良ら相てはく嫁続い犯おをしる人金保たのはを護後は嫁せすによのびる嫁め一りよのの家にう事一の来にを家誰てし殺だかるたす
~~~
「
どういう意味だ」
「最初の文章なのですが、マル害には英太郎という兄がいました。英太郎は三年前に高速道路で急停車した車に衝突して死亡しました。どうも煽り運転のいざこざみたいでした。その際に運転席は潰れてしまい、その」
進言していた警察官が口籠った。
「そうか、形がぐちゃぐちゃだったと。だが、その後の数は」
「それなのですが、マル害の母親が数子と言います。5年前に亡くなっていますが、その葬式がちょっとした事件と関わっていまして台無しになってしまっています。その事件にマル害の嫁である明美が関わっていたのです」
明美から詐欺を受けたという相良洋一に追われて逃げ込んだのが葬式会場であったのだ。
「私もその際に駆け付けました。署で事情を聞くと、洋一は詐欺にあったと明美を見掛けて追い掛けたと供述していました。その日に詐欺事件の被害届を提出して貰いましたが、数日後に取り下げられています」
「もしかすると、マル害と接触する為に自作したのかもしれんな。結婚もその1年後だしな」
聞けば聞く程に明美が怪しく思えて来る。何としてでも行方を突き止めなくてはと警部補の男は決意した。
しかし、何の進展も無いまま数日が経過した。
「財産を挟んで殺嫁が二回。マル害は相当な殺意を感じていたのでしょうか」
「謎の文章を感覚で読もうとすると、自分の良い様にしか解釈できないぞ」
色々と捜査をしているものの、完全に行き詰っていたのであった。そんな折に科捜研から呼ばれていたので足を運んでいた。
「まず、だっ第一発見者を疑え。こっこれは、小説などでもよっ良く言われている事です。ふっフィクションですけれど」
突然、科捜研の会議室に一人の女が入って来た。パソコンを腕に抱き、死線をキョロキョロと彷徨わせている様は怪しい限りだが、彼女は列記とした科捜研の研究職員である。
「犯人は明美さんの母と兄です」
そう言うと、女はメモ書きを広げた。
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ぐちゃぐちゃ⇒英(形)数、英語? (形容詞?)Messy?
数? M(1)e(2)s(3)s(4)y(5)?
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「これが、何だというのだ」
「2行目からは暗号で、1行目が鍵なのです。なのでこの文章の鍵は5です。5文字毎に並べるとこうなります」
パソコンには例のメモの内容が表示されていた。女がとある欄に5と打ち込んでエンターキーを押すと、次々と文字が並べ替えられて行くのだった。
「何と!」
そこにはこの様に映し出されていたのだった。
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財産を狙っているのはよめの一家だ
殺された時は犯人は嫁の一家の誰か
嫁の兄は良くお金をせびりに来てる
殺されたら嫁を保護するようにした
嫁の母は相続した後に嫁の事を殺す
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