第7話
アラームの音が聞こえてきたので、俺は起きて赤羽が寝ている部屋に向かう。
隣の部屋に向かうと案の定赤羽はまだ寝ていた。ちゃんとぐっすり寝てるみたいなのは良いけどさ。昨日は疲れてて考えなかったけど、Vtuberがマネージャーを家に泊まるのは結構異常な行為なのでは?と思って来た。男同士や女同士なら良いが、異性なら炎上しかねないから泊まらせないよな。
視聴者も赤羽が俺の家に泊まりに来たり、どっか遊びに行ったしてるのを知ってるから良いが、いつかは炎上するよね。
「赤羽、起きて」
「…おはよう」
「着替えて京都に行くよ」
「……」頷く
「俺は部屋で着替えてくるから、着替え終わったらリビングに来て」
俺はそう言うと、部屋で着替えて、リビングに行った。
よくよく考えてみたら俺ってVtuberだよな…
一応カメラも持っていっておくか。
よしこれで多分準備はOKでしょ
これでなければ現地で買おう。
全てやることを終えてソファに座っていると赤羽がリビングに来た。
「……もう行く?」
「何もやり残したことがなければ行こう」
「…」d( ̄  ̄)
「それじゃあ行こうか」
俺と赤羽は家から出て、栄駅に向かった。
地下鉄って荷物持ってる時に少しめんどくさいよな。階段を荷物持って降りないいけない。
栄の地下に行くと相変わらず広い空間でそこから改札で東山線の栄駅に入ってとりあえずそこからホームに移動した。
確か名城線とかにもこの駅で乗れたはず
ここから大須と会社が近いので、よく呼ばれるのだが、まじで引っ越そうかな。
「赤羽は今は知立に住んでるよな」
「…うん…」
そして電車が来たので乗り込んだ。
この路線2000年まで非冷房だったらしいけど、どんな拷問を市民に与えてたんだ交通局。
電車に揺られる事数分、栄駅の次の伏見にも停車をしてもうすぐで名古屋駅に着く。
もうすぐ降りると言うのに赤羽は眠たそうにしているが、ここで赤羽が寝てしまったら、名古屋から俺はどうすれば良いか分からない。
本当に何にも伝えられてないの問題だと思うんすよね。
結局俺と赤羽は東山線の改札から出てそのままの勢いで新幹線に来た
赤羽は流石に切符を買っておいたみたいだ。
そこはやっぱりマネージャーみたいな仕事をしているだけあるみたい。
てか名古屋から出るのってほぼ脱北と一緒だよな。
「京都着いたらまずどこに行くんだ?」
「…どこ行きたい?」
「まさかだけど、行き当たりばったりで、下見をする気か?」
「…」赤羽が頷く。
とりあえず俺と赤羽を下見に選んだやつを教えて欲しい。
そいつをピラニアと人喰いズワイガニ、黒豹などが生息してる清渓川に突き落としてくるからよ。
「のぞみが来たからとりあえず乗ろう」
「……」
これ側から見たら、夜にスパタワの近くでナンパして無視されてる人の光景に見えるよなと思いつつ二人で乗り込んで席に座った。
約30分くらい座っていれば京都に着くと考えたら、新幹線というのは物凄く速い乗り物と言うことがわかる気がする。
前に頭が狂って自転車で、名古屋から京都駅前の職安まで行ったが16時間ぐらいの時間をかけた気がする。
「赤羽、眠いなら寝てても良いよ。30分くらいだけど着いたら起こすよ」
「…お願い」
赤羽は一言そういうと、寝始めた。
今日の赤羽は口数がいつもよりは多い気がするのだが気のせいだろうか?
まぁ考察して会話するよりも楽だからこちらとしてはありがたい。
新幹線の中ふと今月の出来事を考えてみると…一切Vtuberらしい事してなくない?
配信だって実写だし何なら自分のアカウントでも無い。他の会社にはデビューすらしなかったVtuberも居るらしいが、それよりはマシだと考えていたい。
そこから20分ほど経つと、新幹線のアナウンスでもう京都に着くとの事。
京都を出ると次は新大阪だっけ。
普通に大阪行って飲み歩きしたいな。
赤羽のは絶対飲ませないけど、本当にこの人は酒癖が悪いというか、めちゃくちゃ絡んでまくる人になる。
「赤羽起きて、もうすぐ京都」
「……おはよう」
「おはよう、もう着くから降りる準備してな」
そんな事をしていたらもう新幹線は京都駅のホームに滑り込み始めた。
うん、京都駅の駅名標が見えてきて、京都に来たんだという事を実感する。
新幹線のドアが開くと、赤羽はすぐに降りて駅で変な事をし始めた。
「赤羽、ここは岐阜じゃないからそのポーズは恥ずかしい」
「……」
多分理解した様子なので、とりあえず階段を降りることにした。
エレベーターを使えばいいのに何故かめんどくさくて階段で行こうとする。
こういう人達が怪我をするんだなと思いながらも、階段を下りお土産屋さんの目の前を通り、とりあえず適当な改札を出て少し進むと奈良線のホームが見えてきた。
多分赤羽は出る改札を間違えたんだと思うんだよな。気づかなかった俺も悪いけどね。
「…迷った」
「赤羽は最初はどこ行きたいの?」
「…アパホテル」
「荷物置きに行きたいのか。てかとりあえずアパホテル取れば良いよね感がうちの会社らしくて良いな」
「…旅館取るのが…めんどくさいらしい」
「去年も酷かったからな、自由人しかいないから完全に個別の旅行になってたし、普通のホテルの方が良いのかもな」
「…宴会とかしてみたい」
「赤羽は絶対に飲まないでな」
「…介護してくれるでしょ?」
「流石に酔っ払った人をそのままにしておけんしな」
奈良線のホームで永遠に話してるわけにもいかないので、在来線ホームの西口から出ることにした。
やっぱりこの時間でもある程度人がいる。
そのまま階段を降りて駅舎から出ると左には中央郵便局が見えてきた。
地味に毎回旅行来た時にお世話になってる郵便局かもしれないな。
そして赤羽は京都タワーの方向を見ている。
本当にこのタワーは上からビームが出そうな形をしている。
「登りたいのか?」
「……」頷く
「エンパイヤーステートビルみたいに登るのか?」
「…キングコングじゃない」
「よく分かったな」
赤羽の守備範囲が広すぎてたまに困惑する。
こんな事も分かるのはもう脳内解剖した方が良いんじゃないか?
そんな会話をしていると京都駅前の職安(ハローワーク)が見えてきた。
昔ここの隣の公園で暇すぎて電車を眺めていたな。
職安の前もそのまま通り過ぎたので、目の前のアパホテルでは無いみたいだ。
職安近くのアパホテルは2軒あるみたいだが目の前のアパホテルには泊まったことが無い。
てかアパホテルの社長の水が家に一本あるんだよな。実質同居かなんか嫌だな。
「自転車屋もあるのか」
「……」
「借りても良いけど赤羽は自転車乗れるの?」
「……」首を横に振る
「なら後で地下鉄とかの一日乗車券買っておくか」
「……」頷く
階段を降りると目の前にアパホテルがある。
中に入ってチェックインは流石に早すぎて出来ないので、荷物だけ預かってもらった。
赤羽は何も離したくなさそうだったので、結局全て俺がやり取りした。
これはもう介護士の気持ちになってきたが、多分それを直接いうと怒られると思うのでやめておこう。
荷物を預かってもらったので、出てすぐの隣のセブンイレブンに来た。
まず最初に行くところがセブンイレブンな辺り、観光する気があるのか、何なら京都に来た意味はあるのか考えたくなるが、赤羽はなんかゴミ袋を買おうとしている。
「赤羽、そっちのゴミ袋は京都市指定のゴミ袋だから高いよ」
「……」ゴミ袋をそっと元に戻した
「何にゴミ袋使うんだ?」
「…家のゴミ袋無くなった」
「それは明日、帰りに買おう」
「……」頷く
セブンイレブンを出て来た道をまた戻っていく。
「赤羽、地味に良いカメラ持ってきたのか」
「……」
多分会社のでも無いと思うので本当に赤羽のカメラなんだろうkissのM2だっけあのカメラ。
新品12万くらいしか気がするけど、赤羽の趣味なのかな?
「朝だし、朝食でもどこかで食べるか?」
「……!」何か閃いたみたい
「マクドは行かないからな」
「……」
「マクド行こうとしてたのか。まぁ京都だし観光しながら決めよう」
「…
「
「…大丸」
「初手にデパート行こうとしてるのか」
「…清水寺も行きたい」
「とりあえず
ポルタの目の前まで来たので、地下に潜ってそのまま、地下鉄の改札に行くことにした。
ポルタも名古屋駅前みたいにこの時間でも寝てる人が居るのか。
やっぱどこも一定数は変な人がいるもんだな。
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後書き
とりあえず京都の地名にはルビを入れました。
書きたいこと色々あるけど時間が足りない…
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