【春&優子】引っ越し
4月末。優子とはじめが帰国した。
その日から春と夏生は、交流を再開した。
といっても、お互いの子供たちがお付き合いをしたから自然と一緒にいられるようになったというのが正しいのかもしれない。
5月半ば・・・ゴールデンウィーク明けのその日。
優一と冬華は、2人での同棲生活を近くのアパートで始めた。
2人のアパートは、両家からそれぞれお金を出し合っている。
2人の引っ越しに伴い、両家総出で引っ越し作業を手伝っていた。
男性陣は、大きな家具の設置をしている。
女性陣は、キッチンや小物の整理をしている。
なので、キッチンには冬華、春、優子の三人がいる。
「二人共お手伝いありがとう」
「こういう事は大人数で一気にやるほうがいいのよ。
ねぇ、優子ちゃん」
「うん、その通りだね。
早く終わらせて引っ越し祝いにご馳走食べに行きましょう」
三人は、そう言いながら前日に買い込んできた食器を洗ったりキッチン用品の整理をしていた。
アパートは、2LDKと高校生にしてはかなり贅沢な住まい。
それぞれにプライベート空間が必要だろうということもあって自室がそれぞれにあるような間取りにした。
だからと言って、優一も冬華も離れて過ごすということはまずないだろう。
きっと、ダイニングで引っ付いて過ごしたりどちらかの部屋のベッドで眠るのだろう。
自室のある意味は、限りなくない気はするが一応必要なのではということになった。
「冬華ちゃん、するなとは言わないけど避妊はしっかりするのよ」
「あわわ・・・はい」
顔を真っ赤にする冬華。
そんな、彼女を見てクスクス笑う春と優子。
キッチンは、明るい雰囲気に包まれていた。
「あ、優子ちゃん。再来週」
「再来週?ああ、ランチだよね。
大丈夫、行けるよ。というか・・・あ、その件は当日にだね」
「ええ、藍ちゃんとのランチ会楽しみ」
再来週6月に入ってから、ちょうど藍と3人でランチの予定が入っている。
3人で会うのは、随分と久し振りのことになる。
それもこれも、一連の事件が関係している。
今も、夏生は忙しくしている。
今日は、たまたまお休みが取れて引越しの手伝いに来ているのだった。
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