幼馴染み 【徹】
【徹】Episode1兄貴
俺の名前は、濱出 徹。
俺には、二人の兄貴がいる。
1人は、一回り以上も年の離れた兄貴で精神科医をしている。
もう1人は、双子の兄貴だ。
俺と違って何でもできて両親からも期待されている。
いけ好かない双子の兄貴だ。
俺は、何も持っていない。
両親には、疎まれて生きてきた。
そう、10年前のあの日までは。
あいつが死ぬまでは。
◇
10年と少し前。
俺は、優一と冬華。
それに、双子の兄貴「巧」とでよく遊んでいた。
ある日、気弱そうな少女「純恋」がその輪に入るようになった。
巧兄は、純恋に優しくし慕わられていた。
そんな光景に心底ムカついていた。
俺は、純恋の事が好きだった。
兄貴が、彼女を好きになる前からずっと。
いや、本当は俺の方が先に出会っていた。
なのに、同じ顔で同じ背格好。
俺たちを、肉親以外が区別などできるはずがなかった。
ある日、俺は一番上の兄貴「
そして、駿兄からとっておきの方法を聞いたんだ。
俺は、そのとっておきの方法を使って純恋が俺のことも巧兄のことも「徹」と認識するようにした。
これで、巧兄がしたことはすべて俺「徹」がしたことになる。
これで、純恋が俺の物になると思うと嬉しくてたまらない。
俺の中で「徹」が歪み始めたのはこの時からだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます