第19話 幼馴染みと大晦日

お祓いの日から数日。

大晦日の夕方。

冬華は、僕の家のリビングで僕に引っ付いていた。

「冬華、最近やけにべたべたしてない?」

「え~、そんなことないよ・・・だめ?」

上目づかいで見つめられると弱いんだけど。

嫌なわけないけど、理性がもたない。

「ダメじゃないけど、前にもまして甘えん坊だね」

「だって・・・」

冬華は、僕の肩に頭を預け身体を密着してきた。

僕は、彼女の頭を撫でる。

「冬華・・・言っとくけど、3が日終わったら勉強やるからね」

「え・・・う~ん、優ちゃんが教えてくれるから・・・一緒にいれるし。うん、頑張る」

「勉強の時はべたべた禁止ね」

「えっ!」

悲壮感のある表情に変わる冬華。

べたべたしながら勉強って内容入らないだろう。

「う~、いいもん。このあともっとべたべたするもん」

涙目になっている冬華。

そういえば、グループチャットで聴いたんだが・・・。

冬華は、見た目の幼さで高校では目立っている。

そして、成績・・・実は、下から数えた方が早いらしい。

赤点はないらしいけどなかなか厳しいようだ。

ひとりで勉強しても冬華は伸びなかったみたい。

しっかり、教えてあげよう。

それにしても、だいぶ元々の冬華に戻って来たなぁ。

やっと、明るい冬華に戻って来た気がする。

「冬華、今年も2年参りいく?」

「いくいく、絶対行く」

「じゃあ、早めにそば食べなきゃね」

僕らはそうして夕方の時間を過ごした。

夕方過ぎに冬華は春さんに呼ばれて自宅へと帰っていった。

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