第14話 さらばGよ、永遠に…

お母さんが来る!家に泊まるって言ってるから、残り2週間以内に全部終わらなければならない。


私はまたホームセンターへ行った。

カラーボックス2個と、衣装ケース2個と、ゴキブリホイサッサを4個購入。

さすがにカラーボックスと衣装ケースは運べないから、アパートまで運んでもらい、ついでにカラーボックスの組み立ても頼んだ。

洋室の方はだいぶキレイになり、もうゴミは無い。

私は掃除機をかけ、雑巾で水拭きをした。

そしてテレビの横にカラーボックスを置き、1つにはその中に本をキレイに並べ、もう1つのカラーボックスには、文房具や化粧品など細かい物たちをとりあえずざっくりと入れた。

あの汚部屋はここにはもう無い。


隣の和室はゴミの分別が大変だったが、何とか片付けて畳が顔を全て覗かせた。

こちらの和室には、お母さんが来たらここで寝てもらう。

私は窓を開け、だいぶ久しぶりに換気した。

爽やかな風が和室を通り抜け、本来のその姿を喜んでいるような気がした。

そして遂にGともお別れの日になった。


私は買ってきたゴキブリホイサッサを1個は押し入れに、もう1個は和室の見える場所に置いた。

残りのゴキブリホイサッサも、1つはキッチンに置き、もう1つは洋室に置いた。

これでGとの戦いも終戦を迎えることが出来る…。


残りは大量の洋服だ。

まずは仕分けをした。今着れそうなものは衣装ケースにほおりこんだ。

恥ずかしくてもう着れないもの。顔の色に合わなくなったもの。小さくなってしまったもの。これらは全て燃えるゴミ袋に入れた。

思い出の服も出て来たが、残して置いても着ないだろうと思い、ここは割り切ってゴミ袋行きにした。

すぐ様ごみ集積所に投入。

洋室もスッキリした。

あとは洋服を自分が片付けられる範囲内でたたみ、きちんと衣装ケースに並べ収納。その中には下着類もあり、ブラジャーを見てはヨレヨレになっていて、あとで新しいものを購入しようと思った。

ベットのマットレスはカビだらけになっていた。

次の日にまたホームセンターに行き、ベットとカーテンを購入。今置き去りにされていたベットは、新しいベットと引き換えに処分してもらうことにした。

今までは動きたくなくて洋室にベットを置いていたが、和室に置いた。

これでちゃんと寝る部屋とくつろぎ&仕事部屋と分けられた。

布団もジメジメし、とても使えそうになかったから、ネット通販でベットシーツ、枕、掛け布団とカバー、ついでに座椅子と座布団2枚、座布団カバーを買った。

全部ピンク色に統一。

カーテンも女子力アップの為に、オフホワイトにピンクの小花柄のカーテンを購入した。そして洋室の西側と南側の窓に掛け、和室の南側の窓にカーテンを掛けた。

座椅子はピンク色だけど、座布団にはクリーム色のカバーを付けた。これでいつ誰が来ても大丈夫。

今までは自分の居場所は大量のゴミの上にダンボールを敷いて、そこに座って仕事をしたり、ズルズルと体を下に下ろしそのまま寝ていた。今度からはメリハリを付けて仕事も出来る。


まるで自分の部屋では無いような、見違える姿になった。

これでもう、いつお母さんが来ても大丈夫。


私と汚部屋の長い戦いは、3ヶ月にも及んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る