第6話 交換

二次会。みんな酔っ払って、鎌田さんと私以外肩を組んで歩道を歩いていた。

何か分からないけど、ヘンテコな歌をそれぞれバラバラに歌っている。

その様子を見ながら、私は今度小説の中で使おうと、考えていた。


極楽という建物に着き、カラオケの部屋を1部屋借りた。

この極楽にはカラオケの他に、ビリヤード、フリースペース、パソコンコーナーなどがある。

私と美由里はカラオケで、数回来たことがあった。


「何歌おうっかな~」

「アップテンポのがいいよね」

「オレ、バラード好き」

「バラードでもいいけど、最初は明るいのがいいよ」

「よし!入れちゃうよ~ん」

酔っ払い4人は各々歌いたい曲を入れ、盛り上がっていた。

鎌田さんと私はそれを見て笑っていた。


すると鎌田さんから

「良かったら福富さんの連絡先教えてくれるかな」

と、そっと言われた。

私はドキッとし、いよいよ春がきたか!と思った。

そして

「はい。仕事が忙しい時は難しいですけど、時間が合えば·····」

と答えた。

「ありがとう」

そう言われ、電話番号を交換した。

その様子を美由里はニヤニヤしながら、しっかりと見逃さずに見ていた。


✤✤✤


次の日私は、例のアイドルの、柏木姫乃の原稿を急ピッチで書き始めた。

昨日の余韻があって途中ニヤけたけれど、コレが完成しなくちゃデートは出来ないと思い、必死で書き始めた。

時々Gが出てきたけれど、

「今はアンタになんか、構っていられないの!」

と、Gを見逃していた。


原稿用紙は全部で380枚程になった。

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