第80話 ひとりぼっちの宇宙戦争
『ドラえもん』で有名な藤子・F・不二雄のSF短編に、『ひとりぼっちの宇宙戦争』という作品があります。
内容は――ある日、なんの特技も取柄もない男の子のもとに、地球を支配下に置こうとする宇宙人が現れ(いや、姿はなくて声だけだったかな)、「君は地球人のなかから無作為に選ばれた戦士」だと告げます。
宇宙人は「惑星間同士の全面戦争は時代遅れの野蛮な行為。現在の宇宙のきまりでは、それぞれの惑星を代表する戦士をひとりだけ戦わせ、その勝敗をもって争いの決着をつけることになっている」と説明し、公平を期すためとして、男の子と全く同じ能力を与えたコピーロボット(宇宙人の代表戦士)と戦うよう要求します。
決戦当日の真夜中、地球上のだれひとりとして知ることのない「戦争」に向かった男の子は、古代ローマの戦士のような剣と楯をだけ与えられ、自分と全く同じ姿をしたコピーロボットと地球の支配権をかけて戦う――というお話です。
☆
イスラエルのガザ地区を実効支配している武装組織ハマスとイスラエル軍との間の武力衝突で多数の死者がでているとニュースでみました。
ウクライナ戦争についても同じなのですが、戦闘状態にあるハマスとイスラエルには即時停戦してもらいたいと思っています。どういう理由があっても、おおぜいの人が死んでいくことは間違っています。何千人も人を死なせて。。。ハマスもイスラエルも間違っています。
――ひとりの人間の力って無力だなあ。
で、思い出したのが『ひとりぼっちの宇宙戦争』でした。地球より文明の進んだ宇宙では、犠牲の大きすぎる戦争を放棄して、それぞれの惑星を代表する戦士による「一騎打ち」で紛争を解決するルールが出来上がっている設定となっていました。
ハマスとイスラエルに一騎打ちしろというわけではありませんが、もっと人の命を大切に考えないと。争いが人の死を生み、人の死が憎しみを生み、憎しみが争いを生むんでしょ。このループをどこかで断ち切らないといけない。断ち切るとしたらそれは争うの箇所が一番容易でしょ。
戦争はやめようよ。
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