幼少期編

1話 もしかして異世界転生した感じ?

あれ、まだ意識が残っている。

もしかしたら誰かが助けを呼んで、奇跡的に助かったとか?じゃあここは病院か。


うん?目が思ったように開かないな、後遺症だろうか……。脊髄損傷とかしていないだろうか。

声は出るだろうか。


「うぇあ、あぁ〜」

もしかして喉をやられたのかもしれない。俺はこんなに声が高くなかったはずだ。

「○‪✕‬△○○‪✕‬‪‪△」


何語で話しているんだろうか。少なくとも英語ではないのは確かだ。多分これは若い男女の声だな。

モニター越しによく聞いていたからわかるよ。

ウンウン。

ここは外国だろうか、もしかしたら親が外国のいい病院に入れてくれたのかもしれないな。

起きたら親にまず感謝を伝えよう……。

とりあえず周りを確認するか……。

目は大きな怪我してなかったらいいけど。



なんだ案外すんなり開いた。

ってここはやっぱ外国じゃねぇか。あ、さっきの声はあの若い男女の声か…。羨ましい美男美女な。


なんだこの『違和感』


多分お医者さんかそれに関係する人だろうからお礼言わないとな、ニートだからといって礼儀を怠っていいわけない。


「あうぃあとぅ」

そうだ喉がやられてるんだったな。でも全然どこも痛くないぞ?手も付いてるし、足も日本あるし、

んあれ何かおかしい。


違和感の正体がわかった。


小さいのだ体の全てが、手も足も、これじゃあまるで「赤ん坊」じゃないか。

赤ん坊?そうだ今俺は赤ん坊の姿になっているのではないだろうか。そう考えると辻褄が合うぞ。


じゃあ今も目の前にいる若い男女はもしかして、俺の父親と母親なのか?

いやそこじゃない、なんで赤ん坊?なんで生きてる?

確かさっきまでの俺は体重以外は平均的なブ男だったはずだ。


これってもしかして最近何かと話題の「転生」ってやつなんじゃないか……。

2人組のDQNに殺されて、赤ん坊に転生したのではないだろうか。


「○○‪✕‬○△△△‪‪‪‬‪‪‪‪‪‪‪‪✕‬‪‪‪‬‪‪‪‪‪‪‪‪✕‬」

俺の母親らしき人物が俺を抱えあげてる。

近くで見るとものすごい美人だこの人。栗色の髪の毛でよく手入れされているのがわかる。俺の父親らしき人も西洋風イケメンって感じだ。


それにしてもこの体の持ち主の意識はどこに行ったのだろう?


俺の人生は終わってしまったはずなのに、他の人の人生を奪ってしまったのだろうか。悪いことをしてしまった。俺のようなクズ野郎のために人生を潰されて、可哀想な子だ。


もし、この悪夢から覚めないのならこの子の変わりに生きよう。この子の体には才能が溢れているかもしれないし、俺は2週目なのだ、努力も人2倍できるはずだ。


俺は小さい頃から誰かに認められたかったんだ。

でも、前までの俺じゃそんなことできなかった。

逆に軽蔑されていた。

しかし、この体ならできるかもしれない。

いや、できるできないじゃない、やろう。

どんな些細なことでもいい、たとえ才能なんてなかったとしても、何かを成し遂げて人に認めてもらえる立派な人間になろう。犠牲になってくれたこの子のためにも。


そんなことを考えていると両頬にくちづけをされた。キスなんて何年ぶりなんだろうか……。小学4年生が最後だったかな。


若い男女(両親)は俺を寝かしつけ、近くにあるベッドで眠ってしまった。

そのまま俺も寝入ってしまった。


〜〜〜〜〜〜〜〜


1週間くらいたっただろうか。

どうやらこの国、剣術がお盛んらしい。そんな国聞いたことはないけど、たしか190国くらいあるんだから、そんな国があってもおかしくないだろう。

窓の外を見ると剣を振る少年たちが見える。家の奥にある建物は学校のようなものらしい。

外で剣術の授業でもしているだろう、まさか軍隊じゃあないだろうな。


あととても田舎だ。薄々気づいてたけど電化製品が一個もないのだ。赤ちゃん用ゲージも木製だし。


そしてお盛んなのは剣術だけではない、 夜のプロレスもお盛んなのである。 まだ子供を産んだばかりだというのに……。全く最近の若者はけしからん。


俺はゲージから身を乗り出して外を見ていた。

親からすれば発達が早すぎて天才児とか思われてるのだろうか。

父親は仕事をしてるらしい。

母親の方は料理を作っているようだ。今は野菜を切っている。

ん?あれ?おかしくないか?

今切る時包丁使ってなかったよな?

風のようなものが出てきてそれで切っていたよな?


驚ろいた拍子に足を滑らせたみたいだ。

両親とも急いで駆けつけにくる。

「○△‪‪‪‬‪‪‪‪‪‪‪‪✕‬‪‪‪‬‪‪‪‪‪‪‪‪✕‬‪‪‪‬‪‪‪‪‪‪‪‪✕‬○△」

ちょっと何言ってるかわかんない。だけどとりあえず心配してくれてるみたいだ。家族の優しさってのは世界共通なのだろう。

今頃、前世の俺の親は何してるだろうか、大人になったら会いに行こう絶対に。


「○△○△△○△!」

母親が何か唱えると手の周りに「魔法陣」のような物が出て俺に向ける。

「△○△△○」

もう一度何か唱えると俺の頭の痛みがどんどん緩和されていく。


は?!何コレ魔法?

もしかしたら手の周りにLEDでもつけてたのか?

でも痛みが消えたのはなんでだ、薬でも飲まされたか?冷静になろう。素数を数えよう……、1、3、5ふぅ〜。

今考えられるのは2つだ。


1つ目

もしかしたらこの家族凄い厨二病患者かもしれない。この家の文化レベルもあえて落としている。さっきのはなんかライトとか使って痛みはなんか軟膏でも塗られたんだろ説。


2つ目

もしかしたら異世界転生したかんじ?説


いやこれはもう確定したのかもしれない恐らくこの世界は異世界だ。俺は転生したのだ。

今話題の異世界転生したのだ。


もしかして家に、帰れないのか…。

魔法も剣もあるのだ嬉しい気持ちはある。


だが、俺はもう親に会うことも叶わないかもしれないのだ。

本当に迷惑しかかけていないな、

今はとりあえずこの世界で生き抜くことを考えよう。


せめて、この世界の両親には迷惑をかけないようにしよう。親孝行もできるならしよう。


〜〜〜〜〜〜〜〜



1年後。


1歳にもなると少しは歩けるようになった。

あと、親の言うことも少し理解できるようになった。


※これからこの世界の言葉は全部日本語で書きます。By作者


「ペルセウスどこに隠れてるの〜出ておいで〜。」

ペルセウス・フリーゲンがこの世界での俺の名前らしい。

とりあえず母親の近くに戻った方が良さそうだ。

「うだぁーぁ」

俺は常時赤ちゃんプレイをしていることとなる。これはなかなかに恥ずかしいものである。想像して欲しい。30超えたおっさんが赤ちゃんプレイしてたらキツイだろう?俺はそれをしているのだ。


「あら、そんなとこに居たのね。ちゃんと自分で戻ってきて偉い偉い!」

にこやかに笑う母。ニチャついた笑顔をする俺。

いい絵になるな〜。

この世界に来てから、だいぶ精神的に落ち着いてきた。前の世界では色々考え込んでしまい半分病んでる状態だったがそれが改善しつつある。喜ばしい状況だ。


父親はあまり帰ってこない。女遊びでもしているのかと思っていたが違うようだ、仕事が忙しいのだそう。

父親のことは結構好きだ。帰ってくるととても可愛がってくれるからな。


前世の父親もこんな人、だったな。また会えるだろうか?まださよならも行っていないのに消えてしまうなんて思ってもいなかった。


俺は心に決めた。

元の世界に帰る勉強をしよう。





〜後書きなるもの


転生ものって乳幼児期がだいたい同じ流れなってしまうよね。悩みやわ






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