第7話 ヒザウエ【ASMR】/絢辻さんに膝枕してもらえるなんて!

○詞の部屋・昼

   #膝枕をしてもらう主人公。

   #顔を詞の腹の方に向ける。


「なんでお腹の方向いてるのよ。逆でしょ。」


   #恥ずかしいの? と聞く主人公。


「恥ずかしいとか、そういうわけじゃないわ。」

「……あのねぇ、もしこのままの体勢を続けるなら、強引に首をひねるわよ。」


   #あきらめて詞のいうことを聞く主人公、体勢を変える。衣擦れの音。


「最初から黙っていうことを聞けばいいのよ。」

「……ちょっと、鼻息が荒くて太ももがくすぐったいんだけど。」

「息しないで、30分ぐらい。」


「死んじゃう? じゃあ膝枕はナシ。はい、わかったら少しは鼻息をガマンなさい。」

「……まだムズムズするわね……そうだ!」


   #詞、仕返しと主人公の耳元に息をふーっと吹きかける。


「ふーっ。……ふふ、いいリアクション!」

「あなた、くすぐられの才能があるわよ。」

「はい、動かないで。せっかく膝枕してるんだから、耳かきしてあげる。」


「そんなに喜んでくれるの? うれしい。」

「でも耳かきをなくしちゃって……だから代わりに、カニフォークでいいわよね。」

「なにって、カニフォーク。 カニの身をほじる時に使う、先端が鋭利な爪状になっているあれよ。」


「さっきコーヒーを淹れる時についでに台所から取ってきたの。」

「これなら綺麗に耳垢も取れるわ。」

「ちょっと手元がくるうと、お肉までそげちゃうかもだけど……。」


「ま、ちょっとぐらいいわよね。」

「《やっぱりいい》? そんな、遠慮しないで。」

「(怖いトーンで)今さら逃がさないわよ……。」



《第8話へ続く》


★mimicle(ミミクル)にて配信中★

『ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.6 絢辻詞編』(CV・名塚佳織、CV・佐藤利奈)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る