【台本】ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.6 絢辻詞編
監修・高山箕犀、田沢大典(シナリオ工房・月光)/ミミクル
第1話 オデカケ/絢辻さんとデートでポートタワー展望室へ
○ポートタワー・屋上展望室・昼
#最上階の展望室にデートに来ている二人。
詞
「遠くまでよく見えるわね。冬は空気が澄んでるから。」
「ね、この時期に来て正解でしょう。」
「……どうしたの? ずっと天井を見つめてて。」
「あ、高所恐怖症だったっけ。忘れてたわ。」
「はいはい、そんなに悲しそうな顔しないで。」
「こっちに来て一緒に景色を楽しみましょう。ほら、あたしの腕につかまって。」
#詞、主人公の腕に手を回す。衣擦れの音。
詞
「(微笑んで)これならこわくないでしょ。」
#詞、あたりを見回しながら、少しテンション高めで。
詞
「わぁ……トラックや船がミニチュアみたい。」
「間近で見ると圧倒されるほど大きいのに、不思議ね。」
「こうして見ると輝日東が小さく見えるわ。ふふ……。」
「ね、いま考えてることあててあげましょうか。」
「《絢辻さん、街を見下ろす悪の支配者みたいだ》とか考えてるんでしょう?」
「そんなことない……っていう割にはずいぶんな慌てようね。」
「まぁいいわ、今日は楽しいから許してあげる。」
「やっぱり晴れた日のポートタワーは心も晴れるわね。」
#僕はそんなに楽しくない……と納得いかない主人公。
詞
「(わざと悲しそうに)え? あなたは……楽しくないの?」
#そういうことじゃないけど、高いところは苦手だと話す主人公。
詞
「そんな恨めしそうな顔しなくても高いところが苦手なのは知ってるわよ。」
「忘れてたけど。」
「でも違うの。恋人のことは喜怒哀楽、全てを知りたかったから。」
「だからここを選んだのよ。」
「決してあなたの弱味を確認したかったわけじゃないわよ。」
#そうなんだ、と納得する主人公。
詞
「そうなんだ、って……(小声)この単純さ、たまに不安になるわね。」
「(声の大きさ戻して)ううん、なんでもないわ。」
「あ、見て。壁際にくじらの骨格標本が展示されてるわ。行ってみましょ。」
#こつ、こつ、とふたりの足音。
#ふたり、くじらの骨格標本を前に。
詞
「大きいわね……こんな大きな生き物が、海を泳いでいるのよね。」
「なんだかすごい……。」
「(苦笑して)……って、当たり前なこと言っちゃったわ。子供じゃあるまいし。」
#やっと普通のデートっぽくなってきた、という主人公に。
詞
「(苦笑)《やっと普通のデートっぽくなった》って。」
「今までだってそうだったじゃない、もう。」
「それにしても、本当に大きいわね……。」
「これを捕まえようっていうんだから、すごい勇気が必要よね。」
「ねぇ、もしも、か弱い私がくじらを捕まえたいっていったら……。」
「もちろん手伝ってくれるわよね?」
「何の手伝いって、だからくじらを捕まえるのよ。」
「あなたとあたしで、捕鯨船に乗って。」
《第2話へ続く》
★mimicle(ミミクル)にて配信中★
『ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.6 絢辻詞編』(CV・名塚佳織、CV・佐藤利奈)
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