普段なら、ゲームと日常でそれぞれ別の作品を作ればいいと思っていたけれども、それらがしっかりと関連付けられている。
なので、この作品は合わせて一作品でなくてはいけないと思った。
主人公がゲーム世界で獲得したものは現実に活かされ、現実で獲得したものはゲームに活かさていている。
この現実とゲームの要素の融合は、この作者の特色でもあると思う。
そしてやはり、タイトル通りとは恐れ入ったとも思う。
この小説のドラマはかなり重たい部類に感じた。特に、序盤を読んでいるときは辛く感じて、読む速度は遅くなってしまった。
だけど、それが必要であることが後から分かる。試練を超えて母などに支えられながら、前向きになっていく主人公というのはまさに王道の展開だ。
それがとてもわかりやすく書かれていて、辛かった感情が爽快感に変わっていく。少し重たい内容が、後から全て報われるのだ。