なんかもう死ぬほど雑なミステリーを書く

常闇の霊夜

死ぬほど雑なミステリー探偵


「見てください!死体です!」


「唐突すぎんか?」


俺の名前は『関西かんさい大阪おおさか』。まぁ名前からわかるやろうが関西の出身じゃ。んでまぁ旅行って事で一人でペンションに来たはいいんやけど……まさかの殺人事件。


「あーコレは死んでますね。あ、申し遅れました。私刑事の『犯人はんにんデスヨ』と申します」


「なんやその名前。親はどんな倫理観やねん」


「私は殺していないぞ!」


「悪霊よ……悪霊の仕業よー!」


「あぁ奥さん!待ってください!」


なんか言い出して逃げたで女が。……しかしひどい死体やのぉ。全身ボロボロになるまでボコボコにされとるわ。こりゃ酷い死体やねぇ……。ん?なんか落ちとる。


「コレは写真?誰が映っとるんや……」


「うわぁっ!奥様!奥様ぁ!」


「なんや!?」


「し、死んでる!」


二人目の被害者が出たところで、ペンションの中にいる全員を集めて、刑事のおっさんと一緒に事情聴取や。何があったんやここで……。


「私は『被者ひしや三目みめ』と言います。……妻があんな目に……」


「落ち着いてください。確かに被害者はひどい死に方をしていましたが……。まだ殺人犯がこの中にいるかもしれないのです」


「私は執事の『モブニー・ビックリー』です。……こんな居た堪れない事件になるとは……」


「なぁオッサン。この写真見覚え無いか?」


「なんだいきなり……、こ、これは!」


なんや、やっぱどっかで見たことあるんか……なっ!停電か?!


「うわぁっ!」(ドガッ


「なんや今の音は!?」


「落ち着いてください!良いから動かないで!」(ヒュン


……ようやく明かりがついたで……!あっ三目のおっさんが死んどる!恐らくこのキンピカのツボでガツンと一発やったに違いないで!


「三目様!」


「クソッ、いったい誰が……」


……。とりあえず警察は呼んどいたが……やっぱ、コレ犯人を見つけるべきやな。


「執事のおっさん、ちょっと来てくれ」


「は、はい……」


「気を付けてください。その少年が犯人かもしれませんよ」


「俺は犯人ちゃうわ!……なぁ執事のおっさん。もしかして二人には……」


「……な、何故その事を……」


やっぱりな。写真に写っとった男女、そしてあの反応。そして何よりあの時の声……。犯人が分かったで。


「警察です。……非番の時に事件に出くわすとは、災難でしたな犯人刑事」


「えぇ全くです。しかも犯罪者を野放しに……」


「そやな。なんせお前さんが犯人やからなぁ!」


「なっ、何を言い出すんだ!」


「ワレ知っとるか?ここにある家具は全部金メッキがついとんねん。そしてこのツボや、明らかに人型にメッキがはがれとる」


「だからどうしたと言うのだ。私がそれを使ったという証拠は?」


「ワレさっき動くなちゅうとったよな?そんとき、なんか投げてた音が聞こえたんやけど……。アレ、なんやったんやろな?」


「そんな物分かる訳がないだろう!第一関係が無い!」


「せやろか?」


確かにあの時、こいつは何かを捨てた。それが何か示す証拠は……ここにある。


「このツボ。手形がクッキリ付いとるけど……。なぁワレ。ここに変なはがれ方をした場所があるなぁ?これなんなんやろな?」


「そ、それが……ハッ!」


「ワレ、小指が無いのぉ?もし仮にそんな手で上に何かをかぶせて掴んだら……」


「小指の部分は反応しない……」


「せや。つまりあんたがオッサンを殺したのは確定してるんや!」


「ぐぅっ!?……し、しかし!第二の事件は関係が無いだろう!第一どうやってやったというのだ私が!」


「第二の事件はワレは関係ないんやろ?なんせ……やったのは、三目のおっさんやからな」


「何っ!?」


「ど、どういうことですか?!」


「簡単に説明したる。まずこの写真や。この写真には男女がそれぞれ一人映っとる。んで執事のオッサンから聞いたんやけど……。この写真に写っとる人間、女の方は第一被害者の実の妹らしいわ」


「なら隣のは兄じゃないのか?」


「いーや。そうやない。この隣にいる人物こそ……犯人のオッサン!あんたなんや!」


「……!」


「恐らく!あんたはどっかで知ってしまったんや!ワレの本当の親がこいつらやって事に!」


「で、ですが何故殺す必要が……」


「知っとるわ。今から十年前に警察のファイルで見たんや。……ある少女が結構ひどい死に方で自殺したってな」


「……あぁその通りだ!私の妹は……あの二人の手によって殺されたのだ!」


「……」


「どうせあれやろ?お前さんが兄やったって事で、色々あって殺されたんやろ?」


「……概ねそうだ」


「自白はっや。まぁええわ、とにかくはよ連れてけ!」


「……すまなかった少年。私は復讐を抑えられなかった……」


「あぁそうか。んなこたどーでもええねん。それよりワレ、よくもまぁ俺の旅行を台無しにしてくれやがったなぁ?!」


「あっ大阪がキレてる」


「そりゃキレんだろうが……!ってなんでいんだよ仙台?!」


「警察から大阪がヤバいって言われたので!急いで!」


「はぁ……。まぁええ。今度は事件おきんとえぇなぁ……」


ん?あぁ終わりやで。

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なんかもう死ぬほど雑なミステリーを書く 常闇の霊夜 @kakinatireiya

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