第28話 新商品と新アーツスキル

28.新商品と新アーツスキル









新井さんとダンジョン探索をしてクランへの誘いを受けてから数日、【ダンジョンウォーカー】の影響で探索者交流会が中止になり学校もそれに伴って休みになっていたがそれも後数日で再開が近づいてきた。

因みに【悲愴の洋館】で手に入れた鑑定待ちの指輪2つは鑑定結果が出ている。

1つは【力の指輪】装備者のSTR値を5%ほどプラスしてくれる効果だ。5%という数字が大きいのか小さいのか俺には分からないがないよりかはいいんだろう、指は10本あるしゲームと違いつけれるだけつければ効果を発揮するしな。


もう一つは【罠感知の指輪】こっちは罠が近くにあると教えてくれるという効果がついている。わりといい効果だが罠があると分かったところで解除できないと意味がないのでそこまでな感じの装備。


まぁ両方ともそこまですごい装備ではないが今のところ俺は装備しているのでいえば【再生の腕輪】ぐらいなのでちょうどいいと両方装備しておくことにした。

売れば両方とも数十万はするがそれよりも自分を強化するのが優先だ。



そんな感じでクランに入らないかと誘いを受けた日から今日まで俺は何をしていたかというと。



「よっほいっと」


「ぎゃうぎゃう!」


アサルトライフルを打撃武器のようにつかいゴブリンを押し倒す、そのまま倒れ込んだところを狙い数発撃ちこんでおしまいだ。


まぁ見ての通り今日も今日とて俺はダンジョンへと来ていた、それも新井さんと一緒にきた【小鬼の洞窟】へとだ。

どうしてここにきているのかというと新井さんと来た時は10階層までだったので消化不良というか、なんとなく最後まで攻略したいなって気持ちになったのでソロで攻略している所だ。


このダンジョンは4人までという制限があるだけで別に4人揃えないといけないとかは無いので今回ソロで来ているって感じだ。

他にも今回きている理由があるがそれは後にしてまずはここ数日でレベルのあがったステータスを見て行こう。



名前:神薙 響   年齢:15


レベル:25 → 30


STR:42 → 50

VIT:13 → 18

AGI:43 → 51

DEX:282 → 335

INT:8

MND:7


≪スキル≫

<ユニーク>【GunSHOP】Lv:3 → 4

<上級>【空間庫】Lv:3

<スキルリンク>【野営地】Lv:1

<中級>【射撃】Lv:7 → 9

<初級>【銃術】Lv:5 → 6

<上級>【堅忍不抜】Lv:─

<中級>【気配感知】Lv:2 → 3




今現在のステータスはこんな感じだまずはレベルから、ここ数日でレベルが5上がっている。

正確には【悲愴の洋館】の30階層のボスを倒して新井さんと一緒にダンジョンへいってクランへの誘いを受けてからさらに3日経っていてなので。

1週間ちょっとでレベルが5つ上がった事になる。


レベルの上がり方的にはこれが早い方なのか遅い方なのか比較する対象がいないので何とも言えないが今のところ順調なのでいい感じだと思う、多分。


ステータス的には近接戦闘を行うようになったからか前衛系の能力値が上がる様になってきた、あまりステータスが伸びたことによる身体能力の違いなどに実感はないが多分力とかが以前と比べて強くなった気はする。

DEX値についてはもはや何も言うまい、一つだけとがっているがもうこのままどんどん我が道を行ってほしいぐらいだ。


そしてスキル、【GunSHOP】スキルのレベルが上がって新しい商品が増えた。これについてはひとまず置いておいて先に全部終わってからちゃんと見たいと思う。


次に現在中級スキルである【射撃】このままいくとレベル10でカンストしてしまうので今後これがランクアップして上級になることに期待だ。


【銃術】スキル、レベルが6になった事で新しいアーツスキルを覚えた。レベル6になってやっと新しいのか?って思うかもしれないがこれには俺も同感だ。

だけれど【銃術】スキルはまだ初級のスキルなんだ、考えてみればこんなものなのかもしれない。


そして今回どんな技を覚えたのかというと【精霊の弾丸】という技だ、はたしてこれがどんな技なのかこの後使ってみたいと思う。



次に【気配感知】これは単純に感知距離が50メートルから70メートルに伸びた。このまま順調に育っていってほしいとおもう、うん。


では最後まで確認したところで改めて【GunSHOP】スキルの新商品を見て行こう。



<ユニーク>【GunSHOP】Lv:4 ▼


LV:1 <GunSHOPを開いて売買が出来る> ▼

 武器:▼

   〝ハンドガン〟50GP~▽

   〝サブマシンガン〟75GP~▽

   〝ショットガン〟80GP~▽

   〝アサルトライフル〟100GP~▽

   〝スナイパーライフル〟200GP~▽

   〝グレネードランチャー〟3000GP~▽

   〝ロケットランチャー〟5000GP~▽

   <New>〝爆発物〟500GP~▽

           ・

           ・

           ・

 外装:▽

 防具:▽

消耗品:▽



増えたのは〝爆発物〟だ、中を見てみたが追加されていたのは主に手榴弾やクレイモアやC4などそれにスタングレネードなども含まれていた。

うん、おもっきり危ない。これは今まで以上に取り扱いに注意したいと思う。


主にスタングレネードや煙幕などが1つで500GP、手榴弾は1000GP、クレイモアは1500GP、C4は3000GPもする。


しかもそれぞれさらに型式などが分かれており用途によっても若干使い道が違うのがいくつもあるみたいだ。

正直覚えれる気がしない。一体どれだけの種類があるのか………


取り合えず基本のスタングレネードと煙幕であるスモークグレネード、手榴弾を1個づつ買ってみた。

スキルアーツと一緒で、この後試してみるつもりだ。


後は消耗品に新しい弾の種類が追加されていた。炸裂弾、徹甲榴弾、焼夷弾などが増えていた。

普通のアサルトライフルなどではこういった弾って使えないんじゃなかったっけ?って思ったのだけれど、どういったことなのかアサルトライフルでも使えるように変換されているみたいでこの辺は何かスキルの不思議な力でそうなってるんだなぁーで納得するしかない。


炸裂弾、徹甲榴弾、焼夷弾、全部一番安いのでそれぞれ700GPになる。これが何発売りなのか買ってみないと分からないが高い気がする、その分威力がすごそうだが。



「ここは、モンスター部屋か」


【気配感知】スキルがビンビンと反応していて部屋の中のゴブリンの存在を教えてくれる。

その数10匹ほど。


モンスター部屋とは言わずもがな魔物がいっぱいいる罠に近い部屋だ、といってもほとんどの人が【気配感知】に近いスキルを持っているのでモンスター部屋は脅威になりえない、事前に分かっているからだ。

ではそんなモンスター部屋を見つけたときどうするか。もちろん攻略する、理由としてはモンスター部屋には必ず宝箱が出現するからだ。攻略できるならお得だ。



「さてどうやって攻略するか」


ここは新商品を使うのにいいタイミングなんじゃないだろうか?

問題は何を使うかだが、スタンさせるか手榴弾で一気にやってしまうか。


「威力を知らないと今後使うのが怖いし手榴弾でいってみるか」


〝爆発物〟はその性質上取り扱いを知らないと怖い、しかもこれはスキルで購入した物だからなおさら威力がどうなるかわからなくて怖い。


モンスター部屋の扉は木で出来た頑丈そうな扉、分厚さも結構あるようだ。

手榴弾はいわゆるピンを抜いて数秒後に爆発するタイプなのでやることは一つだ。


手榴弾のピンを抜き最後の安全装置を外さないまま手に持つ、分厚い頑丈そうな木の扉を少しだけ開けて隙間から手榴弾を投げ込むと急いでモンスター部屋から離れる。


数秒後にドンッという大きな音とガラガラと何かが崩れる音が聞こえてくる、幸いな事に扉が破壊されて飛び出てくるなんてことはなかったようだ。


まだゴブリンが生きているかもしれないので慎重にモンスター部屋へと近づいていく、アサルトライフルを構えていつでも撃てるようにしておく。


「うわぁ、凄いなこれ」


モンスター部屋の中はものすご惨状だった、ゴブリンは体に細かい傷がいっぱいできていて手榴弾の爆発地点に近かったものだろうか?手足が吹き飛んでいるゴブリンもいる。

モンスター部屋事体はそこまで広い部屋じゃないと言ってもここまで威力のあるものだとは思わなかった。

【GunSHOP】スキルで購入したのは破片手榴弾と言われる物みたいだな。


ここまで威力があるのもスキルで購入した物だからなんだろうなぁ。



「あ、これは………」


部屋の中を見て回ると宝箱を見つけたのだが、手榴弾のせいか箱がばらばらになって中身が散らかっていた。

しかも中身は回復薬とかの薬系だったのか入れ物である瓶が割れてしまって中身がこぼれてしまっている。


「これは今後宝箱があるのが確定している部屋では使えないな」


威力は凄いし使いどころはありそうだが少なくともモンスター部屋では使うのは控えよう。


取り合えず倒したゴブリンのドロップを拾っていき残りは放置しておく。

部屋からでてダンジョン探索を再開する。



「もう次が来たか」


モンスター部屋をでてすぐ【気配感知】で次のゴブリンを3匹感知した。

爆発音でこっちに寄ってきてしまったか?


ゴブリンとの距離はまだ50メートルほどもあるし、なんなら曲がり角の向こうからなのでこっちには全く気が付いていない。


「これは、次のを使うチャンスか」


ゴブリンはちょうど曲がり角の向こうからなのでこのタイミングならスタングレネードを丁度良く使えるかも。


スタングレネードは手榴弾と同じでピンを抜いただけでは発動せず最後の安全装置を握り込んだままにしておく。


曲がり角の先を覗き込める位置でしゃがみゴブリンが近づいてくるのを待ち構える。もうすぐ20メートル………


10メートル、投げ込むならここだな。


曲がり角から一瞬顔だしゴブリンの位置を見てからスタングレネードを下からふわっと投げ込む、ゴブリン達は3体とも一瞬呆けた顔をして投げ込まれたスタングレネードに視線が向かう。


急いで曲がり角に顔を引っ込めてスタングレネードが爆発するのを待つ。

するとすぐにバンッという音に一瞬光がチカッとなってすぐにおさまる。


スタングレネードが爆発したのを確認してアサルトライフルを構えて曲がり角から顔を出すとゴブリン達は3匹ともふらふらとしていて前も見えていない状態になっている。

もはや死に体な状態なのでアサルトライフルで数発ずつ頭に撃ちこみ倒しておく。


「これは楽だな」


本来ならここまでの威力は無いはずだがこれもスキルによる物だからって事なんだろうなぁなんてことを考えながらゴブリンのドロップ品を拾っていく。


後試してないのはクレイモアにC4に煙幕に他にも新しい弾を使っていないが全部使っていくのは難しそうだな。


「まぁいつか使うタイミングが出てくるか」


そういえば新アーツスキルの【精霊の弾丸】も試さないとな。



【精霊の弾丸】

精霊の力が込められた弾丸を生成する。

生成された弾丸には自然の力が込められている。



アーツスキルの説明がこれだけなんだよなぁ、見てもよく分からない。自然の力ってなんだ?って感じ。


取り合えず使ってみるか。


「【精霊の弾丸】」


スキルアーツを使うと手のひらの中に何かが光って収束していく。手のひらを上に向けて見つめていると少しづつ光がおさまっていきそこには〝ハンドガンCharlie〟で使っている弾丸が生成された。

ただ色が緑色で淡く光っていてちょっと変な感じだが綺麗な緑色なのでこれはこれで何か特別感があっていいかもしれない。


「これをマガジンに入れればいいのか?」


予備で持っておいた丁度弾が切れたマガジンに【精霊の弾丸】を一発だけ入れてみる、それを〝ハンドガンCharlie〟に差し込みコッキングをしていつでも撃てる状態にしておく。



「ん?やっぱり寄せ付けているのか?」


銃の準備が完了したところでまた【気配感知】が反応してゴブリンが近づいてきているのを知らせてくる。

どうやら〝爆発物〟の音などで注意がこちらにむいて遠くから寄ってきているようだ。


「あんまり頻繁には使えないか、気を付けないとな」


【気配感知】の範囲は70メートル、それよりも遠くから反応してゴブリンが近寄ってきているという事はそれ以上に音が響いているという事。つまり聞こえているのは魔物ばかりではないという事になる。


けどまぁ今回だけは丁度いい、色々試したい物があるからその的となってくれるゴブリンが向こうから来てくれるのは楽でいい。



見えてきたな。


ダンジョンの通路、遠くからゴブリンの姿が見える。

向こうからもこちらの姿が見えているはずだが遠すぎて人だと認識できていないようだ。それでも何かいるからって感じで近づいてきている。


「ぎゃぁぎゃぁ!」


「ぎゃ!」


会話?の様な物をしながらもゴブリンが近づいてくる、その数は2匹だ。ちょうどいい。

その場で片膝立ちになり〝アサルトライフルCharlie〟を構えて1匹を狙い撃つ。


「ぎゃ!?」


突然隣を歩いていたゴブリンが倒れて動かなくなって残っていたゴブリンが驚いて何か言ってる。


「ぎゃう!」


俺が倒したって事には気づいていないだろうけど、なんかいるからお前だろ!って感じで決めつけてゴブリンがこちらを睨んでくる。

どうしてゴブリンがどう思ってるかわかるだなんて、何となくとしか言えない。

ボディランゲージと言えばいいのか動きでそう感じだ。


残った1匹のゴブリンが走って近づいてくるので【精霊の弾丸】を試す。


〝アサルトライフルCharlie〟を背中にまわし邪魔にならないようにしてから太ももから〝ハンドガンCharlie〟を抜いて構える。


ゴブリンは頭が悪く一直線にしか行動しないので走って突っ込んでくるしか能がない。

なのでそれを待って前蹴りでカウンターを決める。


「ぎゃうっ!」


体勢を崩して尻もちをついたところに【精霊の弾丸】を込めたハンドガンで撃つ。

するとハンドガンから緑色に淡く光った弾が飛び出しゴブリンに当たる。


「ぎゃ?」


【精霊の弾丸】は確かにゴブリンに当たったはずだがそれらしいダメージを受けていないように見える。


「くそっ使用方法を間違えたか!?」


ダメージを受けていないゴブリンを見て慌てて〝アサルトライフルCharlie〟を構えてトドメをさそうと射撃体勢に入る。


「あ?」


「ぎゃ!?ぎゃうぎゃう!」


撃つぞ!という瞬間、ゴブリンが淡く緑色にひかり、その体にどこからか現れた樹のつるが体を締め付け拘束した。


「何だこれ?高速弾ならぬ拘束弾?」


効果がよく分からないがゴブリンは樹のつるに絡まれて動けないようだ。


「ぎゃぎゃ!」


「うるさいし倒そう」


動けないようだが声は出せるのがさっきからぎゃうぎゃううるさいので頭に一発うって静かにさせておく。


「う~ん、これほんとに拘束するだけの弾丸なのか?よくわからないな」


何というかおもったよりもしょぼいスキル効果だった、けどもしかしたらこれ以外にも何か特殊な効果があるかもしれないのでまた機会を見つけて使ってみよう。


「それに出せる弾はハンドガンのだけなのかな?アサルトライフルのは無理なんだろうか?」


まだまだ試す事はいっぱいある。









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