牡丹の訪問予定

 鬼塚達は、ゆりあの手紙を読み終えた。

「金長牡丹って国会議員の?」

 鬼塚は言うと

「だと思いますよ。金長って苗字は彼女ぐらいだし…」

 伊万里は冷静になろうとした。

「皇、金長って苗字にしてるけど、あれだぞ。金長って四国の有名な狸の名前だからな。それに人間達と一緒に政治家やってるから苗字になっちゃってるけど」

 本郷が突っ込むと

「金長って平成狸合戦ぽんぽこに出てきましたね〜。だけど、あれはお爺さんだったような〜」

 一華がぼんやり話した。

「そうだな…。それは置いといて!」

 本郷が仕切り直そうとした。

「そうですね!本題は牡丹さんが来るかもって事ですよね」

 伊万里が言うと一同は頷いた。

 すると、電話が鳴り、鬼塚が出た。

「はい!何でも屋です。…はい…。え、え!…。本当ですか?はい…」

 鬼塚は自分の手帳とカレンダーを確認し、

「来週でしたら、可能です。…かしこまりました。来週月曜日お待ちしております。失礼します」

 鬼塚は電話を切った。

「どなたでしたか?」

 伊万里が尋ねると

「その手紙に書いてある方が来るんだよ!」

 鬼塚が興奮気味に答えた。

「え、え〜!」

 伊万里達は驚いた。

「牡丹さん…」

 本郷が魚のように口をパクパクさせた。

「やっぱり同姓同名じゃなかった…」

 一華は唖然とした。

「そうなんだよ!リアルガチなんだよ!金長牡丹が来るの!」

 鬼塚が興奮気味に話した。

「リアルガチって…出川じゃないんですから!」

 伊万里は突っ込みを入れた。

「やばいよ!やばいよ!牡丹さんが来週来るよ!どうしよう…」

 鬼塚は大声を出し、子供のように走り回った。

「鬼塚さん、落ち着いてください。あと、出川から離れてください。いつもの勢いはどうしました?いつもの鬼塚さんなら『やるぞ!やるぞ!やるぞー!』って感じですよ」

 伊万里が鬼塚を落ち着かせようとした。

「皇ちゃん、みやぞんになってる…」

 一華が突っ込んだ。

「兎に角皆〜!明日は早めに来てね〜!お掃除しよう〜」

 鬼塚は声のトーンを高く言うと

「あの〜鬼塚さん、明日私は近くの神社のお祭りの飾り付けの手伝いの依頼がありますし、本郷さんはいつも通り山田さんのお婆ちゃんの家ですし…」

 伊万里は遠慮して言うと

「そうだったね!じゃあ、2人はできるところまでやって。綺麗にしてお迎えしないと牡丹さんがガッカリするから」

 鬼塚はそう言うと自分のデスクに戻った。

 一同は、金長牡丹が何でも屋を訪問する予定になってるとは夢じゃないかと思った。

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