モンスターペアレント

 鬼塚は体勢を変えようとしたが、親達が構わずどんどん手摺りを切っていった。鬼塚は慎重に慎重に体勢を変え、ようやく起きあがろうとしたその時だった。鬼塚は屋上から落下していった。

「鬼塚さん!」

 伊万里達は目を塞ぎ、親達は高笑いしたが、すぐに警察に身柄を確保された。


 一方、鬼塚はこのまま自分の死を悟り、今までの思い出を走馬灯のように思い出していた。

 だが、

「清志郎さん!しっかり!」

 鬼塚は上を見ると蝶丸が鬼塚の腕を掴み、飛んでいた。

「蝶丸!」

「どうして!?」

「当たり前じゃなん!清志郎さんいないと僕ら辛いから!」

 そう蝶丸は言って、屋上まで鬼塚を運んだ。

 屋上に着くと親達は暴言を吐いたが、すぐ警察官に止められ、連行されて行った。


 それから鬼塚と親達の事件はニュースや新聞で取り上げられ、テレビニュースの街頭インタビューでは親達を批判する者がほとんどだった。

 また、山田夫人のような常連客は鬼塚を気にかけるようになった。

 そんな中、何でも屋は今までと変わらず、依頼をこなして行き、京都から出てきた蝶丸は鬼塚のアパートに同居し、カフェのアルバイトを始めたのだった。

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