京都にて

 伊万里は京都に到着し、SNSと昨日義治が話して事を元に鬼塚を探した。他にもSNSのハッシュタグや検索にも頼って探した。

 だが、鬼塚はまだ見つからなかった。それでも伊万里は諦めずに探した。


 伊万里が途方に暮れているその頃、ゆりあと一春はお互い鬼塚が見つかってほしいと話していたが、近くで聞いていた重政冬子達に話を聞かれ、重政冬子達は親にすぐ連絡した。重政冬子達の親は、

「もし鬼塚が帰ってきたら教えてほしい」

 と電話で話した。


 一方何でも屋では、本郷と一華の2人体制またはどちらかがシフト上で休日だった場合は1人で仕事をこなしていた。何でも屋は2人穴が空いたため、殆どてんてこ舞いだった。

「皇ちゃんから連絡きましたよ…。鬼塚さんまだ見つからないみたいです」

 休憩時間に一華が話すと

「京都は意外と広いから探すのかなり困難だ。いくらネットやSNSがあるとは言え」

 本郷は困った。

「そういえば、本郷さんが山田さんのお婆ちゃんの家に行ってる間、皇ちゃんの彼氏が来たんですよ!」

 一華が思い出したように話した。

「え!なんで?」

 本郷が聞いた。

 それは数時間前、桜太郎が何でも屋に行き、伊万里から京都にいると連絡がきて伊万里の安否について一華に聞いてきた。

 一華は丁寧に答え、納得した桜太郎は帰って行った。

「皇ちゃんが京都に行ってるって聞いたんですけど、大丈夫かって慌てた様子で聞いてきたんですよ。『大丈夫です』とは答えました」

 一華が話した。

「その方がいい。ゴミ屋敷の時かなり心配してたし。つーかその彼氏さん、皇とは年離れてるみたいだな。まるで父親みたいだったよ」

「ま、皇ちゃんがそれぐらい好きなんですよ。私の主人も付き合ってた時はそんな感じでした。年はそんなに離れていませんでしたが」

 そんな風に2人は雑談していた。


 先輩2人が自分の噂をしているとは知らず伊万里は血眼で鬼塚を探していた。

 伊万里が諦めかけていたその時、牛鬼と高齢男性が目の前を歩いていた。

 よく見ると牛鬼のほうは、鬼塚だった。

「もしもし!阿南さん!鬼塚さん見つかりました」

 そう興奮して伊万里は電話をかけた。

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