人間関係
押見五六三
全1話
私は
彼女もたぶん私の事が好きだろう。
何故なら毎日キスをし、毎日一緒に風呂に入り、毎日一緒に寝ているのだから。
彼女には名前だけの伴侶が居る。
伴侶の名は
当然だろう。
因みに私は
たぶん彼も私の事が好きだろう。
何故なら私は彼からお小遣いを貰い、たまに一緒に遊びに行っては、彼の腕に抱かれているのだから。
実は彼にも彼氏が居る。
夫婦仲が悪いのは当然か。
けど、私はどっちの浮気も証拠を握っている。
いちゃついている現場を見たし、電話の会話も盗み聞きした事が有るのだ。
私が子供だからと油断したのだろう。
そうだ。
私だけがその事実を両方知っている。
正直ぐちゃぐちゃだ。
愛とか恋とかは人それぞれだし、自由だろう。
だが、ちゃんと与えられた責任だけは最後まで全うしろよ。
私は玩具じゃない。
私の存在を忘れるな。
「
「分かってるよ
私は
会話もしていない。
私は両親の事をパパ、ママと呼ばず、名前で呼んでいる。
ジェンダーの意味を理解しているから。
私にはこれが当たり前だから気にはしていない。
だからどうか、私が大人になるまでは2人とも離婚しないでくれ。
私は本当に2人とも好きなんだから。
「ごちそうさま」
私が鞄を持って玄関に行くと、いつもどおり
扉を開けると私の友達……いや、恋人がいつものように迎えに来てくれていた。
〈おしまい〉
人間関係 押見五六三 @563
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