ぐちゃぐちゃグルメはお好きですか？

ぐちゃぐちゃできない人。

　世の中には、ぐちゃぐちゃに混ぜたほうが美味しいと言われている料理がある。

　ご飯とナムルや肉や卵などの具を入れてよくかき混ぜて食べる韓国料理のビビンバが、最も代表的な料理だと思う。

　あとは、ガパオライスとかタコライスとかロコモコとか。麺類ならまぜそばとか油そばとか。

　私は、これらの料理が大好きだ。

　大好き……なんだけれども、自分は料理を『混ぜる』という行為がどうも苦手だ。

　せっかく良い感じに盛り付けられてある料理をぐちゃぐちゃにしてしまうという行為に、どうしても抵抗感があるのだ。

　だからビビンバなんかは、ナムルを食べ、ご飯を食べ、お肉を食べ、ご飯を食べ……を繰り返して、最後に鍋に張り付いたおこげをゴリゴリとスプーンで剥がして食べている。

　ビビンバ好きの妻からは「なんて勿体無い食べ方！」といつも嘆かれている。

　妻曰く、ビビンバという料理はぐちゃぐちゃとかき混ぜることによって「自分で料理を完成させる」ということなのらしいのだけれども、どうしても抵抗がある。

　もちろん、妻の言い分のほうが正しい。

　そして自分でも「どうして混ぜて食べないんだ？」と思ってしまう料理もある。

　油そばやまぜそばだ。

　これらの料理は、丼の底に油やタレを入れた後に麺や具材を盛り付ける料理だから、しっかりと混ぜてから食べないと最後に濃厚すぎる油だらけの汁をすする羽目になってしまう。

　わかってはいるんだけれども、どうしても混ぜることができない。

　これはあくまで個人的な感想なんだけれども「混ぜる」という行為が料理の途中経過と感じてしまうからなんだと思う。

　混ぜるのであれば、そのあと然るべき「調理」を行いたいのだ。

　炊き込みご飯みたいに炊飯器で炊き込むとか、お好み焼きみたいに鉄板で焼くとか。完成系がぐちゃぐちゃに混ざっている料理には一切抵抗がないんですよね。

　本当になんなんでしょうね。このめんどくさい感覚。