ぐちゃぐちゃ
珀武真由
頭の中が整理出来ない
嘘か真か。
この年で友達、と呼べる人間は何人いるだろう。指折り数えてみた。きっちり五本指内だった。
(まぁ、交流の無さがそう仕向けるんだろう)
数えた指をビール缶に持ち替えた。自分の腑甲斐なさもあるが人と拘わることの難しさを考えると、何も整わない。
ビールの所為ではない。
分かっている。私の力量が至らないのだ。
結局その人の味方だと言って於きながら知らず知らずにその人を傷つけていたのだろう。その人たちの思いに気付かない私は愚かだと反省していても……切りがない。
(分かっている……本当にわかっているのか?)
まだ悶々としていて気持ちの整理もつかない。出るのは涙と嗚咽ばかりだ。
(謝られても自分の腑甲斐なさは変わらない、かといって憤ることも出来ない)
そして缶を口に運ぶ。こういう時の自分自身の慰め方が酒とはまた滑稽だな。そして筆とは、これいかに。
お偉い先生方もこのように文面を綴り、気を紛らわせたのだろうか?
(判らない。そもそも何からの逃げだろうか、現実から?)
過去から逃げてももう終わったことは、精算できない。
(そこは判りきってるんだ、阿呆だなぁ)
ことの発端はある交流の場で起きたことなのだが……。そして、こういうところで何度も繰り返す過ちに謝り尽くしても終わりは見えず。
ただただいつも、自問ばかりだ。
(情けない)
まぁこのような場を借りて、文をしたためることで気を紛らわすこと自体が可笑しいのかも知れないが……。
(自分に不愉快だ)
許されるか許すのかは私次第なのか、それとも他の人次第なのか。訊く時点で間違っているのかも知れない案件に頭がくすぶる。
(返ってくる答えはなくともなんか吐きたかったんだ)
あっ、逃避をし始めたのか眠い。起きたときにすっきりはない。ここでこうして手を動かす自分を見て、訊いてくれてありがとうとお礼をひとつ。
「ほんとうに、ありがとうございました」
ぐちゃぐちゃ 珀武真由 @yosinari
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます