歩きスマホと子どものケガ


 亮介と佑樹が小説を読んでいると、3歳の息子を抱っこひもで固定しスマホで交際相手の40代男性と通話する33歳の女性が広場を歩いているのが見えた。

 抱っこひもから体が抜け、地面に激突しそうになった男児をゴルバチョフが足から血を流しながら抱き留め、8歳の兄が「ありがとうございます」と弟に駆け寄って来た。


 「僕たちを保護してください‼」兄弟は弥生やローズたちに向かって絶叫し、泣き出した。母親と交際相手はナイトクラブに入り浸り帰宅せず、ロンドン警察署から5回注意を受けている。

 睦月が兄弟にフェイスタオルを渡し、「ラジオ局『Young Flowers』で司会体験したい子~!」と満面の笑みを見せる。(木曜日の昼に、7歳~19歳までの子が司会体験ができる)。



 兄弟は五月や優香たちも入っている寮の個室で生活し、読書や雑談をして過ごすことに。ロンドン警察署の制服を着た亮介と賢哉は寝息を立てている兄弟を一瞥してから、広場を通ってロンドン警察署の2階に入る。


 「40代の交際相手は兄弟のあごに重傷を負わせ、弥生さんが激怒してもナイトクラブ通いをやめない」小声で言い、ベーグルをかじる賢哉。シベリアンハスキーのポピーが『禁煙』と書かれた店の前でタバコを吸っている男に気づき、マンホールに激突させた。

 転倒した男が持っていたバールを、亮介のハンマーが粉砕。男はジョリーの父でボアコンストリクターのヒュージに太い尾で腰を絞められ絶叫、男児の母親も逮捕された。



 「スマホ見ながら子ども連れで歩いてる親が多い‼」ホホジロザメのヘレナが、広場で子どもたちと熱唱する英語教師の明子を見ながら言った。

 「抱っこひもから体が抜けると、子どもがケガする‼」イチゴを食べ終えたカミツキガメ・アントニオも、鼻の穴を広げ激怒。テッポウウオのアローンは強一と道也に絆創膏入りの箱を積み上げさせている。

 「強一に道也。箱はロンドン警察署内の1階に運んどいてくれ」へばりながら「はい」と答え、転倒しそうになりながら20箱を運び入れた。



 コーギーのぬいぐるみを持った4歳の息子と抱っこひもを着けた27歳の母親が階段から落下するのが見え、ジョリーが太い尾で男児をつかみ着地させる。女性は階段を下りながらスマホの画面を見ようとし、あごから出血。「通話や画面を見る時は立ち止まって!」とヘレナが呼びかけた。



 兄弟は佑樹や猛雄の交際相手で背中まである金髪のウクライナ人女性・リーナに漢字とアルファベットを書いてもらい10個を暗記。猛雄と空音の朗読を聴いたり、睦月やフランクたちと楽器の演奏体験をして打ち解けてきた。

 チェコスロバキアンウルフドッグのオータムとウィリアムにも、困っていることや母親への気持ちを吐露している。










 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る