第15話 合流
俺はタブレット端末を取り出す。
「知己、一番近くの馬車を教えてくれ。」
「ナシェ様が乗った馬車が一番近いと思われます。およそ2時間ほどで追いつけます。」
「仕方ないな。」
「喋った!?」
近くにいた全員が不思議そうな目でタブレット端末を見てくる。
「コウさんそれは?」
「あぁ電気を使った地図魔法のアイテムだ。」
「そんなものがあるんですね。」
「こんにちは私は知己と申します。皆さんをサポートさせていただきます。」
「あぁ、よろしくな!知己。」
「よろしくお願いしますわ。」
「よ、よろしくお願いします。」
「よろしくね。」
モニカが俺の方を向いて言った。
「先ほどの分裂した武器も魔法のアイテムですか?」
「あぁ。特別なものだが。」
「そうだったんですね。コウさんってやっぱり頼りになります。」
「ありがとうモニカ。」
「いえいえ」
それを見ていたリークが俺をからかう。
「コウ!ナシェちゃんを悲しませるなよ。」
「あぁナシェが一番大事だ。」
幸い馬2頭が無事なのでリンとモニカ、リークとエンリカ二人ずつ馬に載せ別の馬車を目指す。
「二人ずつ馬に乗ってくれ」
「コウさんあなたはどうするのですか?」
俺は某土人形から教わった魔法をイメージする。
「仕方ないな、マグネティックドール!」
地面から砂鉄でできた黒馬が姿をあら合わす。
俺はそれにまたがる。
「さて、いくか。」
「!?」
みんながそれを見て驚く。
「コウさん、どこまで魔法を極めて・・・・!!」
「普通だよ。」
「そんな・・・」
「もうなれましたわ。」
「俺もコウが何やっても驚かなくなってきたぜ。」
「コウさん、すごいです!」
しばらくしてリンが俺の方を向いて向いて声をかけてくる。
「コウさん、その・・・今度私と魔法試合をお願いできますか?」
「ロウウェルみたいな男ならともかく、女とは戦いたくないな。普通に教えることぐらいしかできない。」
「そうですか・・・。えっ、ロウウェルさんと戦ったことがあるんですか?」
「あぁ、向こうから仕掛けてきてな。返り討ちにしたんだが、あまりいい気持ちでは無かったな。」
周りが驚く
「!?」
「はぁ・・・、やっとコウさんに追いつけたと思ったらまだまだ遠そうですね。」
「そうか?さっきのビームかなりの射程と威力だったぞ。」
「そういう意味じゃなくて・・・・!!」
「お、見えてきたな。おーいナシェ!」
「コウさんまだ話が・・・・」
俺を見つけたナシェが驚く。
「・・・・?コウ君!?」
「そっちはどうやら無事みたいだな。」
「コウ君、私を心配して来てくれたの!?」
「あぁそれもある。こっちの馬車がモンスターにやられてな。」
「もう!って何その馬!?」
「あぁ、前見せた俺の魔法だよ」
「えぇ!」
周りが驚く。
ナシェの馬車も男2女3という同じ構成だった。
「一応野宿用の道具は持ってきたが。休憩の街まであとどのぐらいだ?」
「1時間ぐらいだよ。」
「まぁもうすぐだな。そこで馬車もなんとかしよう。」
「どうするんだコウ?」
「馬車ぐらい売ってるだろ・・・」
「そういう問題じゃなくてな・・・・」
しばらくすると街の灯が見え皆が安心する。
「街だー」
「よかった。」
「とりあえずみんなは宿屋に行っててくれ。俺は商店で馬車を探してくるよ。」
ナシェがすかさず呟く。
「私も行く!」
「あぁ、わかったよ」
しばらくすると馬小屋のある商店がありそこに寄る。
「少し外で待っててくれ。」
「うん」
「いらっしゃいませー」
「馬車を明日までに用意してもらいたいんだが。」
「お客様・・・馬車となりますと金貨50枚からになりますが。」
「お金ならここにある。」
店主が驚く。
「わかりました・・・。では明日またここへお越しください。」
「あぁありがとう。」
「ありがとうございましたー。」
扉を出るとナシェが待っていた。
「待たせたな」
「ううん。いこっ」
宿への道を戻ろうとすると、怪しい二人組が近づいていた。
「あーこれは面倒くさいパターンだな。飛ぶか・・・」
「えっ?」
俺は地面に鉄板を置き磁力で屋根までナシェを抱えてジャンプした。
「よっと・・・」
「きゃーっ。って・・・すごい綺麗な景色だね。」
「だな・・・」
隣のナシェがもじもじしていた。
「その・・・してくれても・・・。」
「また今度な・・・」
「えー。」
そして俺はナシェを抱え、屋根伝いに宿へと戻った。
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