第14話 獣人の街テウリアへ行きます。
それから一週間後・・・
「これで行くのか?」
「そうですね。」
馬車の前で組まれたグループと話し合っていた。
一台の馬車に5人ほど乗れるらしく、テウリアまで3日間ほどかかるそうだ。
それぞれの馬車が別々のルートに別れ一つの街を目指す。
俺の乗る馬車には、リンに黒髪の男の子、白髪と緑髪の女の子二人がいた。
しばらく馬車が進みリンが話題を繰り出す。
「それじゃぁ自己紹介ね。私はリン、魔法は閃光を使えるわ!」
続けざまに長い白髪の女の子が話す。
「わ、私はモニカです。単水が使えます。」
黒髪の男の子が話す。
「俺はリーク。単土が使えるぜ!」
緑髪の縦巻きロールの女の子が話す。
「私はエンリカと申します。単風が使えますわ。」
(いかにも貴族って感じのようだ。)
続けてコウが話す。
「俺は・・・・」
リンが俺の自己紹介を遮るように話す。
「コウさんは学園内で知らない人はいないぐらいですよ。」
モニカが話す
「ナシェちゃんの旦那さんだよね!」
噂が固定されてしまったようだ・・・・。
「コウ、魔法の訓練教えてくれてありがとうな!」
「私からもお礼を言います。」
「あぁ、どういたしまして!」
エンリカが話す。
「皆様将来はどうする予定ですの?私は家の家業を継ぐつもりですけど。」
「俺はギルドに入って冒険者になるつもりだぜ!」
「わ、私は魔法で薬屋を目指しています・・・」
「私は魔法騎士を目指しています。」
「コウさんは何をされるんですの?」
(考えてなかったな。元の世界に戻りたいとも言えないし・・・・)
「俺は国防関係の仕事につく予定かな、一応知人に関係者がいてな・・・」
(今受けてる仕事だから嘘ではないな・・・)
「すごいですねコウさん!」
モニカがこっちを尊敬の眼差しで見てくる。
「ありがとうモニカ。そんなに見つめられると恥ずかしいよ。」
「あっ、す、すいません。」
モニカが顔を赤らめる。
「リン、魔法騎士ってなんだ?」
「魔法騎士というのは魔法で城を警備する騎士様のことですね」
「なるほど。剣はあまり使わないのか。」
「えぇ、余程の実力がない限りは・・・・相手の懐に飛び込むよりも効率的ですから。」
・・・
3時間ほどして馬車が急に止まる。
「ん?モンスターか」
モニカが不安な顔をしながら返事を返す。
「みたいだね。」
「俺に任せろ!」
リークが勢い良く馬車を飛び出し魔法を放つ。
「アースショット!」
モンスターを倒したのか地面が振動する。
馬車の外へ出ると巨大なイノシシ型モンスターが倒れていた。
「一撃で倒すとはかなり強くなってるな。」
「だろ!コウのおかげだぜ。」
エンリカが馬車の外へ出てこう言った。
「このモンスターは単体では行動しないはずですわ!」
エンリカがそう呟いた瞬間馬車が破壊され俺達は吹き飛んだ。
「なっ!」
衝撃のあったほうを向くと、複数体の同種モンスターが俺達に向かってきていた。。
「レーザー!!」
リンが閃光魔法でその一体を倒す。
近くに居たモニカとエンリカは体勢を立て直せないのか動けないでいた。
俺はモンスターの群れに向かって走り出すと、モンスターたちもこちらを目掛けて走ってくる。
「コウさん!危ないですよ!」
「大丈夫!マグネティックパージ!」
両足から金具を飛ばし2体のモンスターに当て吹き飛ばす。
その反動で俺に向かってきていた1体を避け、すれ違いざまに聖剣で一刀両断した。
金具を飛ばしたモンスターは威力が不十分なのか立ち上がってこちらに向かってくる。
「分裂!」
聖剣を分裂させて磁力で吹き飛ばしモンスターの急所に当てる。
振動とともにモンスターが倒れた。
「二人共大丈夫か?」
「えぇ魔法でなんとか。」
「いたたた。」
モニカは転んで擦り傷ができていた。
俺は持ち物から回復薬を取り出し使う。
「あ、ありがとう・・」
「傷は浅いすぐに治る。」
「うん・・・」
「さすがですね・・・剣の腕もなかなか・・。」
「ありがとうリン」
エンリカが大破した馬車を見つめつぶやく
「まずいですわね。」
「あぁ馬車が壊れたな。」
俺はあることを思いだす。
「仕方ないな。別の馬車と合流するか。」
「でも場所がわからないですわ!」
「任せろ。」
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