奇怪少年016
センセイ
ブロローグ.少年の出発
「仕事だ。準備はいいか?」
「…はい」
男の声に、少年は少しぶっきらぼうに返事をする。
少年は黒に近い茶髪で、服装は白いシャツに青いネクタイ、ズボンといった、会社員のような格好をしている。
そんな少年に、最初の声の主の男は、ドサッ…と、何枚かの紙の資料を差し出した。
「お前の恋人の情報だ。よく読んでおけよ」
差し出された資料には一枚の写真があり、その中では高校生らしき白髪ロングの少女が、こちらに向かってピースサインを向けて笑っていた。
…そして、その後には名前や年齢、家族構成などの情報が綿密に書かれていた。
「……」
少年は差し出された資料を見ながら複雑そうな顔をする。
何を考えているのか、それともただ嫌悪しているだけなのか。
少年はしばらくパラパラと目を通し、やがて資料を置いて立ち上がった。
「……行ってきます。…お父さん」
そう言った少年に、『お父さん』と呼ばれた男は静かに手を振る。
少年はそんな男をまた複雑な表情で見つめながら、バタン…とその部屋を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます