奇怪少年016

センセイ

ブロローグ.少年の出発

「仕事だ。準備はいいか?」

「…はい」


男の声に、少年は少しぶっきらぼうに返事をする。

少年は黒に近い茶髪で、服装は白いシャツに青いネクタイ、ズボンといった、会社員のような格好をしている。


そんな少年に、最初の声の主の男は、ドサッ…と、何枚かの紙の資料を差し出した。


「お前のの情報だ。よく読んでおけよ」


差し出された資料には一枚の写真があり、その中では高校生らしき白髪ロングの少女が、こちらに向かってピースサインを向けて笑っていた。

…そして、その後には名前や年齢、家族構成などの情報が綿密に書かれていた。


「……」


少年は差し出された資料を見ながら複雑そうな顔をする。


何を考えているのか、それともただ嫌悪しているだけなのか。


少年はしばらくパラパラと目を通し、やがて資料を置いて立ち上がった。


「……行ってきます。…


そう言った少年に、『お父さん』と呼ばれた男は静かに手を振る。

少年はそんな男をまた複雑な表情で見つめながら、バタン…とその部屋を後にした。

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