俺は高校教師2年目

川向こうのジェロ吉さん

第1話 入試そして

さて今は2月末、この高校の入学試験だ

女子校の教師をして一年無事過ごし

今日は入試の監督をやる様に言われている


同僚の女教師が、テスト用紙を配る間

テストの概要を説明している


可笑しい同じ顔が3つそれも2組

角には双子までいる


女教師はニコニコしながらテスト用紙を配っているが

俺は頭が混乱している


この子達の誰かが不正しても、シラを切られたら

隣の子よと言われたら、確信が持てない


名簿に目を通す、思わず瞬きしてしまう

佐藤恵が3人、佐藤純が2人、佐藤綾が3人

待て待て三子が2組双子が1組


名前まで同じかよ、読み方まで同じみたいだ

そこに双子が被っている


恵と書いてめぐみが3人

純と書いてじゅんが2人

綾と書いてあやが3人


彼女達が全員受かって入学してきたらどうする?


ここの学校の競争倍率は3.5倍

音楽の学校だから倍率が高い

でもその難関を抜けて入学してきたら!


「先生時間です」女教師に言われて時計を見る

「終了」1時間目何事も無く終わる


2時間目、3時間目も無事に終わり

昼食と休憩、午後は実技だ


俺の仕事は名前と顔の確認をして隣の教室に行かせる事

どう見分ける


そうだ生年月日だ、それでわかるはず

淡い期待だった

みんな同じ誕生日、性別も女

読み方も被っている


後は出身校、これは流石違うだろ

同じでした、同じ学校の生徒に聞いたら双子は秋に

片方の三子は1月に転校してきたみたいだ


ただクラスが違うので、間違いは無いと言っている

なら名札、入試にそんな物は付けていなかった


俺は天を仰ぐ、そこに女教師


「頑張って後輩くん、後は実技試験だけよ」


「それが先生、相談があります」


「なぁにかな、後輩くん相談て?」


「その〜顔の見分け方教えてくださいお願いします」ぺこり


「あゝあの子達ね、簡単よ黒子の位置が違うわよ」


「名前と合わせるのは?」


ジリリリーン、ベルが鳴る


「私は隣に行くから」


俺の頭の中はぐちゃぐちゃだ


みんな落ちないかな





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