まだぐちゃぐちゃしている。

卯野ましろ

まだぐちゃぐちゃしている。

 私は以前、とあるWEB漫画のコメント欄に考えさせられたことがあった。そして今でも私は、そのコメント欄内で起こっていた出来事を思い出しては、頭の中や心の中がぐちゃぐちゃになってしまうのだ。

 それは読者の一人である、Aさんが気の毒だった話だ。その漫画家の大ファンであるAさんは、登場人物の行いについて「そんなことをしてはならん!」と感想を述べていた。Aさんは、いつも漫画が更新される度に作品への感想や、作者への応援メッセージを書き込んでいた。私はAさんのコメントを読む度に「熱い読者さんだなぁ」と感服していた。このようなファンがいて先生も嬉しいだろうな、と思った。

 しかしそんなAさんに対して失礼な書き込みをした人がいた。その人はAさんと全く交流したことがないのに「それは違うよね」というような、なぜか敬語を遣わずに否定的なコメントを送ったのである。ちなみに、それに対してAさんは敬語で返事をしていた。

 その後、作品のことを語っていただけのAさんは同じ者や、また別の読者に人間性を否定され続けていた。Aさんは冷静だった。「この人らを、まともに相手してはならない」と考えたのだろう。しばらくして争いは落ち着いたのだが、それでも私は未だに何も納得していなかった。

 なぜなら漫画の感想を語っていただけで、実在する人々(漫画家や読者など)を悪く言っていないAさんが悪者のように扱われていたからだ。いきなりタメ口でAさんに絡んできた者の態度を指摘する人間が、一人も現れなかったのである。ショックだった。なぜ誰も傷付けていないAさんが悪くて、ずっと失礼な態度で接していた者が悪くないのだろう。私は「えっ? これってAさんは悪くなくない?」と悲しくなった。

 私は更に昔、ネットマナーに関するサイトを閲覧したことがある。そのサイトは「敬語で話そう」「誰かを傷付ける書き込みはしてはいけない」など様々なネットでのルールを教えてくれた。しかしインターネットによる交流が手軽となった今では、それらが簡単に無視されている。そんなことが許されるわけがない。ネットマナーを守らなかったことで、たくさんの悲しい出来事が起こっているのだ。許してはいけない。

 今時はこう、あなたは古い。もしかしたら私は、そんな感想を抱かれるかもしれない。それでも私は学んだネットマナーを守り続けていきたい。そして、もし間違えたならば必ず反省できる利用者でありたい。まだぐちゃぐちゃしている私だが、これはしっかりしていきたい。

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