ナックルマン

ムネミツ

第1話 ナックルマン

 平日の朝、小学校の校門付近で俺は信号と道路と児童達を見て動く。


 「はい、気を付けて~♪」


 信号と車の流れを確認し、俺は旗を振り子供達を誘導する。


 「やっべ~♪ ナックルマンだ~♪」

 「タイツやっべ~!」

 「今度は街の何を壊したの~♪」

 「はい、車来るから走らないで?」


 学童養護員の仕事は忍耐。


 俺の衣装を馬鹿にしながら登校する子供達に、俺は交通ルールを守らせる。


 三日前に銀行の屋上から屋根を殴り壊して乗り込み、立て籠もりの強盗を退治した罰がこれだよ。


 「被告人、ナックルマンを三ヶ月の奉仕活動刑に処す!」


 またお前かと言う目で木槌を叩き、刑を宣告したヒーロー裁判所の裁判官のジジイが頭に浮かぶ。


 「ぎゃっはっは~♪ ゾンビ兵共、小学校を襲うぞ~っ♪」


 児童の登校が終わり、校門を閉じた俺の背後から嫌なおっさんの声がする。


 「お前はドクターゾンビ! 何て日だ!」

 「それはこっちの台詞だナックルマン、覚悟しろ!」


 白衣を着た科学者のおっさんゾンビこと、ドクターゾンビ。


 何でもゾンビにする悪党が手下と共に現れ、こっちに襲いかかる。


 「上等だ、生意気な奴らだが子供達は俺が守る!」


 正義の炎を燃やし、俺は一撃必殺の拳で襲って来た奴の手下達を殴る!


 俺の拳で頭部もボディも爆散して行くゾンビ兵達、こいつらも元はドクターゾンビに誘拐とかされた犠牲者なんだろうが容赦はできない!


 「ぎゃっはは~♪ ゾンビ兵はまだまだいるぞ~♪」

 「ゾンビのお替りなんざ、タダでもいらねえよ!」


 ドクターゾンビが指を鳴らすと、何処からか新手のゾンビ兵が現れやがった!


 「上等だ、皆纏めて成仏させてやる! ファイヤーナックル!」


 拳に炎を纏わせたパンチで殴りつつ、敵兵達を火葬して行く。


 「畜生め! ゾンビ兵達がやられた、覚えてろ!」


 逃げ出すドクターゾンビ、俺は勝った。


 「しまった、ぐちゃぐちゃだよ」


 俺は学校に掃除道具を借りて、後始末を始めた。

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ナックルマン ムネミツ @yukinosita

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