第29話 エルナとの約束とやりたい事

俺は泣きやむが、まだエルナとハグをしていた。


「もう少し、このままでいいかな?」


と俺は、エルナに聞く。

エルナは優しく・・・


「もちろんいいですよ」


と言ってくれた。

俺は、そのままエルナに伝える。


「エルナ、俺のスキルを見ておかしいと思ったと思うんだが、それは、まだ言えない・・・けど、絶対に俺の口から真実を伝えるから、待ってて欲しい、その時に俺の涙の理由も話すから」


エルナは、何も言わないで、考えて答えてくれる。


「分かったわ、それまで私待ってるから、時が来たら教え下さいね」


「あぁ必ず、ありがとう」


それから、また無言で抱きしめ合い離れる。


◇◇◇


離れた後、俺は気持ちを切り替え、布団を片付けてから、朝食を作る。


「エルナ、今から朝食だが、パンを食べたいと思う」


と俺は、昨日買っておいた明太フランスパンと食パンを出す。

それをエルナが興味津々に見ていた。


「パンと言うのは、このトースターって言うのを使って、焼いて食べる物なんだ」


と食パンをトースターで2枚焼き、1枚にチョコを塗って実践をする。


「わぁ、美味しそうですね」


とエルナは、拍手をしている。

そんなエルナに、俺は焼いたもう1枚の食パンを上げて、チョコとバターとイチゴジャムを渡す。


「好きな物を、付けて食べてね」


俺は、そんな事を言いながら、明太フランスパンを切ってトースターに入れる。

エルナの方を見ると、食パンにイチゴジャムを塗って食べていた。

サクッと言う音がした後に、エルナは味に驚いたのか、立ち上がっていた。


「美味しかったのか?」


俺が、そう聞くとエルナは・・・


「ものすごく美味しいです、こんなの初めて食べました」


それなら良かったと言い、俺も食べ始める、食パンを食べ終わると同時に、明太フランスパンを焼きあがった。

俺は、1枚をエルナに渡し、そのまま食べる。

俺の感想としては、うーん、ガーリックトーストが1番好きだな、だった。

だがエルナは、イチゴジャムが1番美味しかった、と言っていた。

やっぱり、食の好みって人それぞれだな、と思った。


朝食を食べ終わり、俺たちは歯を磨いた後に、【結界魔法】で作った更衣室で着替える。


エルナは昨日と同じ服に、渡しておいたスニーカーを履いている。

ちなみに、服は魔法で洗濯したので綺麗なのだ。


俺はというと、下にグレーのワイシャツその上にジャケットって言うのかな?

青の服でベルトが付いていてフードがありチャク付きのやつだ。

下はジーパンにスニーカーを履いている。


これを、色違いで2ヶ月程着ている。

まぁ、こっちに来た時は学校に行く途中だったから制服だけどね。


「よし、着替え終えたね」


俺がそう言うと、エルナは聞いてきた。


「今日も、森まで歩くだけですか?」


そこで俺は、いいや、と答え何をするか言った。


「もちろん進むけど、それだけじゃないよ、少しやりたい事が合ってね」


「やりたい事とは?」


俺は聞かれたので、腰にある〈白雪はくせつ〉をエルナに見せて答える


「この刀、名を〈白雪〉に付与出来る魔法を調べる事だよ」


「なるほど、分かりました」

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