第28話 夢の内容 (過去編①) 義妹

まだ5歳ぐらいの時にお父さんが、家に俺と同じぐらいの歳の、女の子を連れて来た。


父に話を聞くと、その女の子の名前は陽菜ひなと言い、お父さんの弟とそのお嫁さんが亡くなったらしく、お父さん名を康介こうすけとお母さん名を藍里あいりが話し合い引き取ったと聞いた。


俺は、その時お父さんが、何を言ってるのか理解は出来なくて、ただ単に新しい家族が出来たとしか思って居なかった。


陽菜が、家に引き取られ初めの頃の陽菜は、両親が亡くなった絶望で、俺が遊びに誘っても全く遊ぼうとはせずに、「ほっといて」と冷たく、あしらってきていた。


だが、俺も負けじと遊びに誘ったり、兄らしい事はどんな事だろうと考え、お菓子を分けて上げたりとかをしまくっていた。


そんな甲斐あって、お父さんが陽菜連れて来て3年後、ようやく普通に遊べるようになっていた。


初めの1年は俺も、一緒に遊べるとかそんな事を考えてながら、遊びに誘っていただけだった、それで1度も遊べなかった。


だが、2年目からは小学校に入る事もあり、陽菜はクラスで馴染めなくて、無言で俺に引っ付き後ろを付いくるだけだったが、俺はそれを陽菜が懐いたと勘違いをして、家では一緒に遊ぼうと話しかけたり、宿題を教えて上げると話しかけていると、5回に1回は了承してくれた。

今では恥ずかし話だが、陽菜が初めて遊ぶのを了承してくれた時、俺は涙が溢れ出てしまった、多分陽菜が初めて、俺と遊んでくれるのが嬉しかったんだと思う。


3年目あれからも俺は、陽菜に話しかけまくっていた、それで遂に俺は陽菜と普通に会話したり、陽菜にお兄ちゃんと呼ばれる程に成長出来た。

俺が、陽菜に初めてお兄ちゃんと呼ばれた時、思わず抱きしめてしまった。

陽菜はびっくりしていたけど、どうしてこうなったか考えて、陽菜も抱きしめてきた。

その時、陽菜はこんな事を言ってきた。


「今まで、冷たくあしらってきてごめんね、私お父さんとお母さんが亡くなくなって絶望してたけど、お兄ちゃんがそんな私を助けてくれたおかげで死ぬことはなかったよ、ありがとうお兄ちゃん」


と言い、

多分そのキスは、家のお父さんとお母さんが、仲直りする時にいつもしていたから真似たんだと思う。

それ以上でもそれ以下でも、ないのだろう。


それから数年が過ぎ、俺たちは中学2年生になっていた。

その頃の俺は、陽菜が義妹だという事を忘れて本当の兄妹だと思っていた。


中学2年、それは俺にとって人生の分岐点、と言って良いだろう。

その頃の俺は初めて漫画という物に手を出していた。

初めて俺が、手を伸ばした漫画は五つ子の1人が花嫁になる、だった気がする。

俺は、その漫画の世界にハマりオタクの道に進む事になった。


それから、また数年が経ち高校生1年生の時に初めて、ライトノベルに手を伸ばした。

ラノベはあり過ぎて、最初どれに手を伸ばしたか忘れたが、多分天使様かギルドの受付嬢だった気がする。

それからは、ラブコメ、異世界ファンタジー、現代ファンタジー、百合、義妹、幼馴染、アイドルの順番でハマって行った気がする。

俺は、これいいなと思った物を人にオススメする癖が合ったから、陽菜にもラノベをオススメしていた。

特に、異世界ファンタジーとラブコメを中心に、だが陽菜が読んでくれたのは、だけだった。


それから、俺たちは高校2年生になり、いきなり陽菜に告白された。


「お兄ちゃん、私お兄ちゃんの事が好き、付き合って欲しい」


俺は、その時何を言われているのか、理解が出来なくなっていた。

そりゃあそうだ、俺は陽菜には家族愛しか持っていなかったから、そこでは保留にさせてもらった。

それ話は俺が、死ぬ1ヶ月前の事だ。


◇◇◇


そこで、俺は目を覚ました。

横で、すやすやと眠るエルナ。

俺は考える・・・


今思えば、陽菜は俺に心を開いてくれた、10年前から好きだったのだろう。

だからあのキスは、義妹とのラブコメしか読まなかったのは、俺の事が好きだよ、の意味だったのかと納得が行く。


何処かの記事で読んだことがある、ウェスターマーク効果と言うものを、それを説明すると、子供の頃から一緒に過ごした相手、これに関しては陽菜だな、に対して性的興味を持ちにくいと。


だがこっちに来て3ヶ月、久しぶりの陽菜を夢で見た時に、俺は陽菜を恋愛感情で見ていた。

確か、これも正式名称があった気がする。

確か、ジェネティック・セクシュアル・アクションだったかな?

説明としては、距離を置いた場合や離れ離れになっていた親族が再会した場合に起こる現象だったかな?


そんな事を考えて居たら、こぼれ落ちる涙。


止まらない、止まってくれない。

俺はこの世界に来て、初めて号泣する。


そこで起きるエルナ、俺は無理して笑う、心配かけないように。


そんな事をして居たら、いきなりエルナに抱きしめられる。


「無理して笑わなくていいよ、泣きたい時は思いっきり泣いていいんだよ」


俺は、それを聞いて涙腺が崩壊する。


エルナに抱きつき、わんわんと子供のように泣いた。


俺が泣いてる間、優しく抱きしめ背中をさすってくれるエルナ。

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