綺麗なお姉さんが保護者になりまして。

さとうはるき

第1話 朝のルーティン

 朝の四時半。俺はいつものように二人分の朝食の用意をしている。


 高校二年の俺は社会人の姉とアパートに二人暮らし。理由は実家より、姉のアパートから学校に近いからだ。


 味噌汁オッケー、焼きウインナーとサラダよし。ご飯も炊けた。お湯も沸いて、お茶入れて……出来上がりっと。


 今日で二人分の朝食作りは一旦終わり。一年後には、また二人分作ることになる。


 今日、姉は仕事で日本を離れ海外へ行く。俺はこのアパートで一年間の一人暮らしになる。


 昨日の姉は、お別れ会とお祝いを兼ねての会社の人と飲み会。俺が寝るまで姉は帰って来なかった。去年の年末、姉は二十六歳の若さで会社の部長に昇進した。しかも一年間の海外赴任付き。


 いつもの時間に姉を起しに行く。部屋の扉をノックした。返事はない。返事がないのは毎日のこと。


 姉の部屋の扉を開けると、いつもと違う光景があった。普段は姉が一人でベッドに寝ている。今日は二人が寝ていた。


 一瞬、男か? と思ったが、どう見ても女性だった。よく見ると見覚えのある顔。たまにアパートに姉が連れてくる会社の後輩だ。

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