ぐちゃぐちゃの名の由来は?

明石竜 

第1話

「なあ、なんでオレ達って、ぐちゃぐちゃって名前が付けられてんだろうね?」

「さあな。糸井〇里に聞いてみたら分かるかもな」

 とある秘密基地の内部、ぐちゃぐちゃと名付けられている深緑でスライムっぽい形状のモンスターと、名と姿を同じくする

別個体のモンスター達は、たわいない会話を弾ませていた。

「ぐちゃぐちゃって、水分を多く含んでやわらかくなったり形が崩れたりしているさま。 愚痴や不満などをしつこく言うさま。って意味があるらしい。おれ達

水分多いし柔らかいし、愚痴もよく言うし、この名前でも不思議な感じはしないな」

「名付け親の意図は分かるけど、よく考えたらひでえ名前だと思わねえか。もっと恰好良い名前にして欲しかったぜ。グリーンスライムとか」

「ス〇エニに訴えられるぞ。ゲッ〇ー様とか、オ〇ップ様とかよりはマシだろ」

「俺はもっと酷い名前にしてくれてもよかったな。ゲロクサイマンとか。だってこの世界、名前が酷いほど強い位置付けじゃん。オ〇ップ様よりもゲッ〇ー様の方が強いし、よくない〇エよりもけっこうわるい〇エ、ちょっとくさゴー〇トよりもあくしゅうゴー〇トの方が強いし」

「おまえはそういう価値観なんだな」

 引き続き会話を弾ませていると、

「おーい、みんな。冒険者達が侵入して来たぞ」

 別個体の一匹が警告してくる。

 帽子を被った少年、リボンを付けた少女、眼鏡をかけた真面目そうな少年、計三人いるようだ。

「帽子の少年、ゴ〇ラのバットなんか装備してやがる。普通はまだしばらく先で、テレポート覚えてから入手するアイテムなんだけど……眼鏡の少年、頑張ったんだな」

「しょっ、少女の方を見てみろ! たのしいフ〇イパンなんか装備してやがる! 眼鏡の少年、仲間のためにめちゃくちゃ頑張ったんだな。不覚にも感動しちまったよ」

「みんな、うろたえるな。くさい息を吹きかければ、あいつら涙が止まらなくなって攻撃なんか当たりゃしないよ」

「そうだな。おれ達にはそんな強力な技があるじゃねえか。この技さえ使えばあいつらなんか」

 ぐちゃぐちゃと名付けられたモンスター達、数匹まとめて冒険者達に襲い掛かる。

 だが、

「街の墓場の所からハエとかカビ臭いやつとかゴキブリとかゲロ臭いこいつらとか、汚い敵ばっかでもううんざり! 早くここから出たぁ~い」

 少女の怒りのフライパン攻撃により、SMAAAASH!も出て一匹は瞬殺された。

「デ〇ラー狩りでレベル上げまくったのか思ったより強くてヤバいぞ。助けてくれーっ!」

「もっと数増やさねえと、負けちまう」

 残る二匹とも、仲間を呼んだ。二匹とも応援に駆け付けてくれ計四匹になったが、

「うわぁっ!」「ぐへぇっ!」「ぐわっ!」「ォェ」

 帽子の少年のPSI攻撃により、みんなまとめて瞬殺されたのだった。

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