AI搭載ぬいぐるみ。 さて、商品名はどうしようか。

最時

第1話 スマートぬいぐるみ

 昼食後、オフィスで休憩していると開発部のツバサが来た。

「マナ。このあと新製品でAI搭載ぬいぐみのプレゼンするんだけど」

「ありそうで意外ときかないよね」

「でしょ。」

「ぬいぐるみと会話できるって事でしょ」

「その通り。技術の進歩によりお子様の夢が実現される」

「そうよね。いずれそういう時代が来るんじゃないかとは思っていたけど。なんか凄いわよね」」

「うん。ただ、いい名前が思い浮かばないんだ。スマートぬいぐるみとか考えてはみたんだけど、ぬいぐるみって膨よかな方が多いからなんか合わない感じがするんだよね。」

「スマートぬいぐるみは微妙な気がする」

「でしょう。名前ってけっこう商品を売る上で重要だと思うんだ」

「たしかにね。おしゃべりぬいぐるみで良いんじゃない」

「昭和のおもちゃだよ。3つくらいの定型文をしゃべるやつ」

「じゃあ、トーキングドール」

「ホラーを感じるのは私だけでは無いと思う。真面目に考えてよ。あと15分後なんだから」

「いきなりそんなこと思いつくわけ無いじゃない」

「もう。逆ギレ?」

「逆では無いと思う。そんな無茶なこというツバサが悪い」

「はあ、しょうがないなあ」

「何で私があきれられないといけないの」

「マナが真面目に考えられるように先の展開は大人向けの商品も考えていて、特定の人のSNSや声を学ばせることによってその人と会話できるような事を実現する。」

「へ、へえ」

「マナ、気づいた」

「・・・」

「さらに3Dプリンターでその特定の人の容姿を再現。愛人フィギュア」

「それこそ。昭和のダッチワイフみたいだけど」

「マナ。想像してごらん。大好きな先輩と夜な夜な会話できることを」

「・・・」

「モード選択をして、時に優しく。時には色っぽく。好きなことを先輩に言ってもらえることを」

「そ、そう。そんなこと出来るんだ」

「技術の進歩は大人の夢も叶えてくれる」

「・・・ ちょっとトイレ行ってくる」

「マナ。逃げないで~」

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