才色兼備な生徒会長のぬいぐるみになった話

鯵の閉まり

第1話

体育館の全校集会での話だ。


「私たち、城南高校は.....」


俺たちの学年には、この学校の理事長の娘の神狩麗香かがりれいかがいる。


「「麗香様今日も美しい〜」」


「麗香様だ」


俺は胡座をかきながら、周りのあの生徒会長への意識とは違い別のことを考えていた。

言うならば、ゲームのことについてだ。


もうすぐ新作がでるのだ。

待望のRPGゲームまで残り1週間!。それ以外のことが考えられるわけがない。


ぼーっとしていると舞台上で話している噂の麗香様と目があったような気がする。いや、思い込みとかじゃなくて、じーっと見られたようなそんな気がした。

まぁ、気のせいだろう。


あの人だって自分を慕ってくれてない人なんて興味ないだろう。


その日は何ともなく、学校が終わった。


「早くぅー!」


ベットに飛び込みながら新作ゲームのことを思う。

寝たら、どうせ早く明日になるかと思い電気を消し明日ある宿題を無視して眠りについた。



「はぁ可愛い、可愛いわぁ!ゆうたくん」


ゆうた?どうして俺の名前を.........

ぼんやりとした中自分の名前を呼ばれて可愛い可愛いと連呼されていた。


は?と言う.........


ってあれ、言葉がでない?

(おい!)

目を開けると真っ暗で何か柔らかいものが目の前に、、ってなんかいい匂いするな。


「あぁ.........ゆうたくん好きぃ」


痛い痛い痛い!

なんか抱きしめられてますぅ!めっちゃ痛いです。


誰だよこんな俺なんか抱きしめてるやつ。

パッとその人が俺を離してくれて俺を見た。


あれ、目が動かない。。

ってこいつ!!


俺が見たのは想像とかけ離れた人物だった。

あいつはこんな声ださねぇだろ?!

いつも、凛々しい声。どこか鋭いような声の持ち主なはずだ。


なぜ、神狩麗香がここに?!。


「あぁゆうたくんの魂とこのぬいぐるみを合成する実験.......ついに成功してしまったぁ」


俺のぬいぐるみ暮らしの始まりであった。




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才色兼備な生徒会長のぬいぐるみになった話 鯵の閉まり @ajikou

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