後悔
目が覚めると、瑠奈の胸が目の前にあった。
直ぐに離れようとしたけど、瑠奈に抱きしめられてて離れられなかった。……それだけじゃなく、私も瑠奈を抱きしめてるみたいで、離れられなかった。
「ん……れーな?」
瑠奈がそう言うと同時に、瑠奈が少し私から離れてくれたので少し顔を上げ、瑠奈の顔を見ようとしたけど、直ぐに瑠奈を抱きしめてる力を強くして、元の体制に戻った。
「れーな?」
……瑠奈の不思議そうな声が聞こえてきたけど、そんなのに反応している余裕は今の私には無い。
だって、昨日のことを思い出したから。
なんで昨日の私はあんなこと言ったんだ……いや、将来の為ってのは理解出来る。ずっと恥ずかしがってたら進まないってのも理解できる。けど! あんな顔、見られるくらいだったら言わなきゃ良かった。……死にたい。……恥ずかしい。もうやだ。
「……れーな、大丈夫?」
大丈夫なわけが無い。主に私の精神が。……でも、ずっとこのままって訳にもいかないし……でも、瑠奈の顔を見たら、昨日のことを思い出しちゃうし……
私が昨日のことを色々考えていると、突然頭を撫でられた。……もちろん瑠奈にだ。
「な、何」
「れーなが可愛いから、つい」
そう言われた私は、瑠奈を抱きしめてる力を強くし、更に下を向く。
もう嫌だ。……生き恥だ。
だって私は普段表情とか全然変わらないから、可愛いなんてことはありえない。という事は、瑠奈が言う可愛いって言うのは絶対昨日の私の最悪な顔のことを言ってる。……ほんとにもう嫌だ。
せめて顔だけでも隠しておけば……いや、力が入らなかったし、そもそも頭も回らなかったし……
「れーな、お昼ご飯食べよ?」
……もう昼、なんだ。
そろそろ覚悟を決めて、私は瑠奈から離れて、顔を合わせた。
「早く、食べよ」
そう言って何事もないように、私はベッドから降りた。
「うん」
瑠奈は外面だけの私と違って、ほんとに何事もないようにベッドから降りて、リビングに向かうために部屋を出ていった。
昨日あんなことしといて、ほんとに何も思ってないの? ……いや、私の方がどう考えても恥ずかし、私みたいな反応にはならないか。
……私もリビング行こ。
部屋を出た私は、そっとリビングの部屋を開けた。
……瑠奈以外居ない?
「れーな、あと少し待ってね」
「……瑠奈だけ?」
「お母さん達なら、出掛けたみたいだよ」
「そうなんだ」
無駄に緊張して損した。……でも、そのおかげで少しは昨日の恥ずかしさを誤魔化せたしいいか。
「パンでいいよね?」
「なんでもいい」
寝起きだし、パンでちょうどいい。
……ソファ座ってよ。
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