第6話 彼女はどうやら破壊神らしい

 結局さっきの店は悪徳工房だったらしく近くを巡回していた商業ギルドの人に出来事を話すとエセ店主は連行されていった……。

 どうやら余罪はかなりあるらしい。

「だから僕はやめようって思ってたのに君はどんどん先についていっちゃうんだもん」

 そういって彼女は最強と謳われた矛で最強と謳われた盾を思いっきり突いている。

「あっ……」

 どうやら最強の矛が折れたらしい。

「それでこれからどうするの?」

 壊した矛の先端に接着剤の様な物を塗ってカウンターにそぉーと置き直した彼女は俺に問いかけてくる。

「商業ギルドの人に評判の良いお店を聞いたから、そこに向かおうと思う」

 そういって教えてもらった店名を彼女に伝えると彼女は苦虫を噛み潰したような、なんとも言えない表情でこちらを見てくる。

「私も行かなくちゃダメかな? そのお店とは昔、色々あって行きづらいんだけど」

 俺がダメだと伝えると彼女は諦めた様子で

「また壊さないように気をつけなくちゃ」

 と呟き頭を抱えている。

 どうやら彼女は店の物を壊したことのある破壊神らしい。

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