THE 飲み会

「それでは大きな事件を解決したということで、乾杯!」

 皆でグラスを合わせる。

「まあ色々ありましたが、僕は吹っ切れましたよ!」

「俺も吹っ切れたかな。クソ犯人に面と向かって言いたいこと言えたからな」

「カッコ良かったですよ、あの時の宮沢さん」

「私達が資料に埋もれてた間に大捕物が行われていたのね」

「僕達の地味な活躍には全然スポット当たりませんでしたね」

「これから死刑判決を覆す裁判をやっていくんだよ。僕の仕事はまだまだ続く」

「そうですよね。烏丸さんの主な仕事はここから……」

「きっと弁護士の地味な部分なんてクローズアップされることなんてないんだろうけど」

「法廷でのバトルって実際ドラマみたいなもんなのか?」

「ないない。派手に「意義あり!」とか言わないから」

「言わないんですか?」

「うん。言ったことない」

 紫子がお代わりのハイボールを頼む。

「紫子ちゃん、今日はハイペースで飲むのね」

「はい!」

「無理しないでね。眠たくなったら、いつでもお姉さんの膝を貸すわ」

「ありがとうございます」

「あれからさ、元妻の直子とも話し合って、二人で別の遺族の会に行ってるんだ」

「直子さんが所属していた夕晴れは一般人に盗聴器や拳銃を渡したりと問題ありでしたからね」

「夕晴れには一度、俺達、警察が監査に入る」

「犯人は捕まりましたが、まだ事後処理は残っています」

「でもまだ行方不明の子どもはいるんだよね」

「ええ。まだ何処かに潜んでいる犯人はいます」

「全てを解決してやりたいところだが、そういう訳にもいかないんだろ?」

「ええ。様々な種類の事件が私達を待っています」

「全然楽しみじゃないが、やるしかねえな」

「はい、頑張っていきましょう」


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