【閑話】意外なキャラ大集合? 真夏の夜の激辛たばこ編
第15話 【幕間】空牙の深夜最終戦争
現在時刻は深夜2時15分。俺は今、モーレツに腹が減っている!!
「何か食べる物は···と·····」
ひとまず冷蔵庫の中を漁ってみるが、食材はチーズと卵しか入っていない。正直これだけでは今のこの空腹を満たすには確実に足りない。
いや······待てよ? 確か戸棚の中に――――!
「ふっ······やはりあったか······」
先日買い貯めしておいたレトルトのカレーとマトウのご飯があった。過去の俺はこうなる事を見越して購入しておいたのだろう流石は過去の俺!
「しかしなんつーか······『超こってり! 爆盛りオールミートバターカレー3150%増量!』か······重いだろこれ」
人の頭蓋程の大きさと厚みを持つパックは、まだ封を開けてすらいないのに中身の肉の重量感と存在感がありありと感じられる。こんな物をこんな時間に食べたら、昼間の胃もたれは必至だろう。
『昼間の事なんて夜中に考えてもしょうがねぇだろ? 食っちまえよぉ!』
俺の脳内の
『そうだよ空牙! ちょっと考え直して!』
おお! この悪魔より2,3トーン高い声はきっと俺の中の
『確か冷蔵庫にチーズと卵があったはず! この二つをトッピングにしたらもっと美味しいお夜食が出来ると思うんだ!』
············
どっちも悪魔じゃねぇかぁぁぁぁ!!!!
◇◇◇◇
「いやおかしいだろ! なんでどっちも誘惑してんだよ! お前見た目天使なんだからちゃんと自己を抑制しろよ!」
「ごめんなさい·····あのカレー美味しそうでつい·····」
「
「なんで悪魔が天使庇ってるんだよ! てか俺悪者!? 俺が悪いのねぇ!?」
「やめてよ! 天使も悪魔もよってたかって
突然脳内会議に割って入ってきたのは······小学校低学年くらいの女の子だった。
「え······誰?」
「空牙、この子はね······君の幼女人格だよ。君の幼少期の姿を元に女体化されてるんだ」
「『へぇそうなんですね』とはならねぇよ!? なんだよ俺の幼女人格って!?」
「ほら、やっぱり私の事覚えてない! 本体のばか! 私は、初めてXと戦った時メスガキみたいな煽り方して引き付けたでしょ? その時私が生まれたの! そんな事も覚えてないなんて、おつむまで退化しちゃったの? ぷーっくすくす! 笑っちゃう!」
あんなので人格って新しく生まれて来るのか······今後発言には気を付けよう。
「で? 本体はどうしたいの? 食べたいの?」
いや······しかし······夜にあんなゴツイ物食べたら······しかし腹は減って···あぁーもう!
「ちょっと待つんだ!」
遥か若干後方から俺(達)の思考をストップさせる声が響く。振り向くとそこには特徴的な金の前髪、赤と黒で構成されたツンツンの髪······アイツは!
「誰だよっっっ!!!???」
え? マジで誰? さっきの幼女人格はまあ確かによく見れば俺の面影を残してはいた。しかしこいつは俺と似ても似つかない外国人っぽい様相をしている。強いて言うなら店長似だろうか(そんなに似てないけど)
「誰だよ!」
「どなたですか?」
「ちょっとたんだ誰よ! 勝手に私たちの世界にはいってこないでくれる!?」
悪魔と天使と幼女も口々に叫んでいる。俺の記憶を辿っても思い当たる人物が思い浮かばなかったので、本当に知らない人だ。
「――――あぁ、ほらやっぱり知らないんだよ! 自己紹介しないとな」
自己紹介······名前聞いたら質問で息できなくしてやろ!
「ほらエイポ、自己紹介しなさい」
エイポ誰だよ! 後ろから出てきたエイポ誰だよ!????
「チッうるせーなピンクハゲナメクジ······エイポです。ほら、これで満足か?」
ほんでエイポ口悪っ! 連れて来てくれた俺は知らないオッサンのこと『ピンクハゲナメクジ』言ってたぞ!?
「いやエイポ君の事じゃなくて! 俺はそっちのオッサン誰って言ってんの!」
「俺か? 俺はまーアレだ······なんだっていいだろうが殺すぞ!!」
えー逆ギレぇぇぇぇぇぇ!? なんか虚空から酒出して飲み始めたし!
「あの、本当に帰ってくれませんか? ここ俺の頭ン中なんですけど?」
「それは出来ない相談だな······ここ俺の家みたいなもんだし」
「おいピンクハゲナメクジ、腹減った。帰ろ」
「エイポお前マジで何しに来たんだよ!」
「お前ら二人とも俺のテリトリーで騒ぐんじゃねぇ!! 酒が不味くなる」
このオッサン怖! 俺のテリトリーって何!? ここ俺の脳内!
「あー空牙、お前は何がしたかったのか、一回現実を見てみろ。答えはいつもそこにある」
そう言い残してオッサンとエイポはどこかへ消えてしまった。
「そうだな本体。現実に戻れ! これは夢のようなものだ!」
「僕達の事、忘れないでくださいね」
「ふ、ふん! 本体の事なんて、もう見たくないよ! ······またいつでも私の事思い出してね······」
ほぼ俺と同じ顔をした三人に見送られて、俺は薄暗い部屋に意識を戻した。
「!!!! これはぁっ!」
既にテーブルにカレーは用意されていた。チーズとポーチドエッグ付きで。恐らく俺が無意識下で調理をしていたのだろう。
「美味い!!!!」
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