鏡を見て驚く魂

喜島茂夫

かつてわたしは幾千度

鏡の前に立ったことだろう

わたしはわたしの肉を離れて

向こうからいつもわたしを見ていた

外側は内側の徴を刻み

内側は外側の裏側となって隠れた

無限に退く影の彼方で

わたしはわたしが在ることにいつも憧れていたものだ

わたしはわたしを見つめながら

絶えずわたしから隔てられていた

そもそも鏡の中にわたしがつねに見いだしたあれは

わたしが決して見ることのかなわぬ唯一のあれだったのだから

あれの呪縛から解き放たれたいまとなって

何ということだろう

わたしはふたたび見いだすのだ

わたしがそこから絶えず拒まれているあの場所を

たじろがずにはおれぬ驚愕とともに

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