第24話 天使達の戸惑いと
「では、そろそろ本題に入らせて頂きますね?」
ハリス――もといソロモンが再度口を開いた。その声色は先程以上に深刻さを帯びており、より緊迫した空気がミーティングルームに広がる。
「では、滅びる……という事に関してですが。僕が視た限りでは、カタストロイ
彼の言葉に場が一瞬静かになる。もっともヴァルターとレインは表情を変えることなく、皆を見守っているようではあったが。
しばらくの後、口を開いたのはロディだった。彼女は慎重に言葉を探るようにしながら話し出した。
「すまないが隊長、この星全体が破壊される……というのが、まるで想像出来ないのだが?」
「それもそうですね、ロディの指摘は的確です。ですが……実は視た僕もそこが把握出来ていないのです」
「は? 隊長殿、それ……どういう事なんです?」
アイクが口を挟む。その声色は不信感で溢れていた。だが、そのアイクの感情を否定する事は誰にも出来なかった。
「そこについては申し訳ない限りなのですが……カタストロイ本体の目的、いや
「つ~ま~り~! 敵の目的は視えていても、敵の正体が解らないって~こと!」
やり取りを見守っていたレインが口を開き、要約する。その口ぶりはいつも以上にふざけていたが、目つきは真剣そのものだった。
「いずれにせよ……カタストロイが敵っつー事に変わりはないんだよな? 隊長、そして博士に司令」
ユーリが確認を含めた声色で訊き返せば、名指しされた三人が同時に深く頷いた。その真剣な表情を見たユーリが静かに笑う。
その様子に、近くにいたロディが心配そうに声をかける。
「おい、ユーリ? 大丈夫か?」
「くくっあはは! いや、わりぃ……ついな? ようするに……今までとやる事は変わんねぇって事だろ? なら、問題ねぇじゃねーか」
「問題ない? 確かにやる事は変わらないかもしれませんがね? でも、相手の正体がわからないんですよ? それは問題あるでしょう? 先輩?」
アイクからの言葉にも、ユーリは相変わらず笑い、そしてあっさりと答えた。
「いいかアイク? 正体がわからんなんて、戦場じゃ日常茶飯事だ。それが、星ごと滅ぼすっていうなら……その前にカタストロイを滅ぼすだけだ」
はっきりと言い切るユーリの瞳には、一切の揺らぎがない。その瞳を見て、珍しくアイクが黙る。
「ユーリの気持ちはわかりました。その上で、他の皆さんにお尋ねします。……カタストロイとの戦いに、これからも協力してくれますか? 時間はそんなにありませんが……考える事は出来ますよ」
覚悟を問うソロモンに、アイク、ロディ、シャオはしばらく考えた後揃って答えた。
――カタストロイとの戦いから降りる気はない。
はっきりと告げた彼らを、ヴァルターが目を細めて見つめていた。
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