■読者層の十代は？

　二〇〇〇年代、少女小説の読者層だったはずの十代中学生女子は、ボカロ小説とケータイ小説を読んでいた。

　また学校読者調査によれば、二〇一三年と二〇一六年には少女漫画のノベライズかケータイ小説がランクインしている。

　二〇一七年、トーハンが小・中・高校の児童&生徒を対象に行った「平成二十八年度『朝の読書』の人気本調査」では、中学生「ソードアート・オンライン」「カゲロウデイズ」「掟上今日子シリーズ」「デュラララ!!」「ひぐらしのなく頃に」と、トップ２０にラノベ作品が五本ランクイン。中学生以外でラノベ作品がランクインしたのは、高校生第十五位の「ゲート」のみ。

　また、二〇一三年から学研が刊行する『五分後に意外な結末』シリーズは、子どもたちの間で絶大な支持を獲得し、二〇一八年から男女ともに小中学生が読んだ本として人気になっている。（本を読まない男子児童のために生まれたものだった）

　二〇二二年の小中高生が読んだランキングによれば、女子中学生が読んでいる作品は上位から次のとおり。

「五分に意外な結末シリーズ」

「五分後シリーズ」

　角川ビーンズの「告白予行練習シリーズ」

「ふしぎ駄菓子屋辯天堂」

　文芸社より二〇〇七年に刊行され映画公開された「余命一〇年」

　スターツ出版文庫TikTokで超話題となった感動のタイムリープ小説の「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

「人間失格」

「ハイキュー‼」

「君の膵臓をたべたい」

「ハリーポッターシリーズ」

　宇山佳佑によるベストセラー恋愛小説で映画化された「桜のような僕の恋人」

　女子高校生が読んでいる作品は上位から次のとおり。

「余命一〇年」

「桜のような僕の恋人」

　ポプラ社の文庫、児童書、漫画、舞台、劇場アニメ化された「かがみの孤城」

「人間失格」

「君の膵臓をたべたい」

「ハリーポッターシリーズ」

「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

「カラフル」

　芥川賞受賞＆本屋大賞ノミネートした「推し、燃ゆ」

　第十六回本屋大賞を受賞した瀬尾まいこの同名ベストセラー小説で映画化された「そして、バトンは渡された」

　十代の女子たちは、TikTokをはじめ、映画化やアニメ化、話題になった作品を読む傾向がある。

　ちなみに、角川ビーンズの「告白予行練習シリーズ」は、ニコニコ動画で絶大な人気を誇る、青春系胸キュンロックの名手・HoneyWorksの代表曲「告白予行練習」「ヤキモチの答え」「初恋の絵本」を中心としたシリーズ・プロジェクトであり、藤谷燈子によって小説化され、漫画やアニメ、映画化などメディアミックスされている。