バージンゲーム

@yuzu_dora

選ばれし面々

稽古場

各々が別室のロッカーに荷物をしまうシステム。

演出家の意向により、稽古中は最低限の飲み物のみ持ち込み可能。

スマホ等の通信機器は持ち込めない。

中には簡易的なCDプレーヤーとスピーカー、大きなテレビモニターがある。

パイプ椅子、長机も完備。


とある舞台の稽古の為、選ばれた面々がやって来る。


初めは純也。

入って来るなり併設された喫煙スペースに篭る。

次に井ノ上。

こっそりパンを食べて待つ。

そして、健一郎と佐倉。

健一郎、パンを食べる井ノ上を気にせず、軽く挨拶した後にアップをし始める。

佐倉、そんな二人にしっかり挨拶。

どうすれば良いか掴めないので、取り敢えずじっと座っている。

暫くして、遠藤が入って来る。

ひとしきり挨拶を交わすと佐倉と話し始める。


遠藤

「おはようございます。」

佐倉

「おはようございます。」

遠藤

「慣れました?」

佐倉

「はい、どうにか。」

遠藤

「年上ばっかりで結構疲れちゃいますよねぇ。」

佐倉

「そんな事無いですよ。」


会話が続かない二人、ぎこちない。

遠藤、何とか佐倉にリラックスしてもらいたいので、一生懸命に話すが不発。

佐倉、遠藤の気持ちに何とか応えようと必死。

そんな中、久田が入って来る。

何となく挨拶した後、直ぐに台本を読みだす。

井ノ上、ポケットから2個目のパン。

健一郎は声出しに入る。

声出しに混じって遠藤もアップをし始め、佐倉もそれに倣う。

喫煙スペースから、純也登場。


純也

「そろそろ皆さん、アップをしておきましょう。」


井ノ上、急いでパンのゴミをポケットにしまう。

純也、稽古場のスピーカーから軽く音を流す。

それに合わせて、井ノ上と久田もアップをし始める。

各々が温まって来た頃、ドアが開く音。

ゆうき登場。

手には、二つに折り畳まれたメモの様な物を持っている。


ゆうき

「おはよう。これ、誰か落としたー?」


皆、知らないと言った様子。


井ノ上

「中身、何か書いてあるんですか?」

ゆうき

「えっとね。」


ゆうき、紙を開いてみる。


ゆうき

「何だこれ?」




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