私達のあこがれ
一、二、一、二、三
ピッ
真「疲れた。休憩しようよ」
真さんが、ラジカセのボタンを押し曲を止めた。
桃「そうですね」
桃さんが、練習室の外にあるキッチンに行く
すうは「これだけで疲れたとか体力なさ過ぎだろ」
すうはさんが、あーだこーだと言う
まるで、当然かのように各々行動する。
正直私は、この事務所に来て間もないのでどこになにがあるのか未だに把握していない。たしかこの子達は、私が来る前は、事務所の研究生として個人で活動していたと上の人から伝えられた。
3人の練習を見ていても新人とは思えないほどの実力が感じられる。
真さんは、人を引き寄せるほどの歌唱力を持っていて
すうはさんは、疲れを見せないくらいの体力を持っていて
桃さんは、どんな時でも明るく元気な笑顔を持っていて
どこか見ていて元気を貰えるような3人
素人ながらもこの3人は、有名になると思えた。
桃「真、すうはさん、マネージャーさん」
桃さんがコップを持って
桃「お茶にしませんか?」
お茶?ここで?
緑林「お茶っていいんですか?」
桃「事務所からの許可はおりてますので大丈夫です。」
真「そもそも、練習室のすぐ隣にキッチンがある事務所なんてなかなか無いですよ。」
緑林「そ、そうなんだ。」
桃さんは、人数分のお茶を入れ始める。
ん?このお茶って、、
桃「プリンセス・オブ・ウエールズという紅茶です。」
緑林「この、お茶ってどこから」
桃「私物です。」
私物?!え、、、プリンセス・オブ・ウエールズなんて、、聞いたことがない。
すうは「プリンセス、、プリンセス、( ゚д゚)ハッ!」
緑林「すうはさん、、知ってるんですか?」
すうは「マイプリンセス!ってことか!」
真「は?、、そうゆうこと言うやつだっけ。」
そういや、、3人ってなんでアイドルをして何を目指しているんだろ。マネージャーとして知っておくべきだよね。
緑林「あの」
桃「どうかしました?あ、美味しくなかったですか?」
緑林「あ、お茶は美味しいです。ありがとうございます。、、じゃなくて、、みなさんってなんでアイドルになろうと思ったんですか。」
真「それは、、」
さっきまでガヤガヤと騒いでた空間が急に無音な空間となった。3人はコップを机に置き、顔を下げていた。
緑林「ご、ごめんなさい。聞いたらいけないことでしたか?」
桃「いえ、、そうゆうわけではないのですが。」
そう言うと真さんが、口を開いた。
真「そうだね、、簡単に言えば、、変わりたかったという理由かもね。」
変わりたかった、、?3人が?
すうは「お互いのことは、正直わからないです。でも、なんとなく僕たちは」
桃「なにかを抱えて、アイドルと出会い」
真「それを目指したと思います。」
桃「あ、私と真は幼い頃から友達なので、少しは、わかってます。」
そうなんだ。
緑林「もうひとついい?」
桃「なんでしょう」
緑林「憧れてる人っているの?それか目指したい場所」
桃「マネージャーさんは、数年前〈歌姫〉と呼ばれたアイドルをご存知ですか?」
歌姫と呼ばれたアイドル
それは、数年前、、突如現れた。ほとんどの人を魅了させ引き寄せるほどの歌唱力を持った伝説のアイドル《草木レサ》さん
桃「草木レサさん、、を私と真は追っているんです。レサさんが立ったステージに私達も立ちたいと」
なら、、頑張って
緑林「いつか、きっと立てるよ。レサさんと同じステージに」
真「そうで」
緑林「一緒に同じステージに立てるよ」
真「、、、、それは、、不可能です。」
緑林「大丈夫だよ!頑張れば」
真「頑張っても不可能です。」
緑林「そんなの決めつけちゃ」
桃「、マネージャーさん、、草木レサさんは、、もう芸能界にいないんです。」
え?
レサさんはあんなに称賛され期待され
まだ、これから先もあるほどのアイドルがいない、?
桃「とあるライブを最後に音沙汰もなく姿を消しました。当時は、ファンがどうしてなどとネット上で呟かれていました。今は、一部の人はまだ待ってるよと言ってる方も居ますがほとんどは、他のアイドルを推し始めたりとレサさんを忘れています。」
緑林「忘れるって、、」
桃「きっと、、純粋に推してた人よりも有名だからという理由で推してた人が多かったんだと思われます。」
桃「でも、、私と真は、レサさんと出会えたからこそこの事務所に居てアイドルになれています。」
真「本気でボクと桃は、レサさんに憧れて練習してきた。」
すうは「なぁ」
真「なに?」
すうは「レサさんがどこにいるのかだれも知らないのか」
あーー
真「誰も知らないから話題になったんだよ。」
桃「はい、、そして、近い存在である《レサさんの妹》でもどこにいるか分かっていません。」
レサさんって妹が居るんだ、、、ん?
草木レサ、、、、草木?ってどこかで見たような
真「そういや、、すうはは?」
すうは「え?どうしたの」
真「憧れの人がいないのか!」
すうは「あー、えーと、、グループ名はわからないけどたまたま見たライブ映像に惹かれて、すごいなって」
たまたまがアイドルを産ませるんだ。
桃「あと、目指したい場所でしたね。それに関しては、3人一緒です。《頂点に立ちたい》です。3人がはじめて会った日から同じ場所を目指していました。」
緑林「きっと、なれると思います!」
桃「ありがとうございます。あ、そろそろ練習に戻りましょうか。」
3人は、練習室の真ん中に並び再び練習しだした。
まだ、3人のこと知らないことが多いけど
距離が近くなった気がした。
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