第13話 勇者と魔法使いと闇魔道士のショートコント3
——メタルスライムが現れた!
勇者「モンスターだ! 戦うぞ!」
魔法使い「zzz……」
勇者「寝てる! しかも静かに寝息(ねいき)を立てている!」
闇魔道士「うるさいぞ勇者。我はこれからみそ汁のダシを取るのだから邪魔(じゃま)するな」
勇者「やる気ゼロかお前ら! くそっ、俺が戦うしかない!」
——メタルスライムの攻撃(こうげき)!勇者は103のダメージを受けた!
勇者「うわ! つ、強い……」
闇魔道士「ふん。情けない奴だ。我が力を貸(か)してやろう」
勇者「頼む!」
闇魔道士「『深淵の王なるものよ! 闇に落ちたる太陽の姫よ! 月の塔より出(いで)し獣(けもの)よ! 滅(ほろ)びの力よ!! 我に集え! 醜(みにく)き姿を晒(さら)すのだ! 邪悪(じゃあく)な力を示すのだ!……』」
勇者「ん? まだ詠唱(えいしょう)続(つづ)くのか」
——1分後
闇魔道士「『闇よ!』」
勇者「いつまで続くんだよ!」
闇魔道士「あと5時間ほど待て!」
勇者「待てるわきゃねぇだろぉ!」
——メタルスライムの攻撃!勇者は204のダメージを受けた!
勇者「ぐあ!」
闇魔道士「先ほどから貴様(きさま)のダメージが部屋番号みたいなのが気になって仕方ないんだが」
勇者「言ってる場合か!!」
闇魔道士「出でよ!闇の戦士『 フルカス!!!』」
勇者「お前、召喚術(しょうかんじゅつ)も使えたのか!?」
闇魔道士「言ってみただけだ!」
勇者「クソッタレ!!俺がやるしかない!おりゃ!」
——勇者の攻撃!メタルスライムに10のダメージを与えなかった!
勇者与「えなかった!? どっちにしろ桁(けた)が少ねえ!」
闇魔道士「ふん!ならば我の本気を見よ! ゆくぞ! 上等(じょうとう)闇(やみ)魔法(まほう)『ゴッドクリムゾン!!』」
勇者「すごい! 強そう!」
闇魔道士「言ってみただけだ!」
勇者「ファック!」
——メタルスライムの攻撃!! 闇魔道士は99999999のダメージを受けた!
闇魔道士「ぐは!」
勇者「喰(く)らいすぎぃ!」
闇魔道士「こんなものかすり傷だ!」
勇者「ダメージカンストしてたぞ!?」
——闇魔道士は倒れた!
勇者「やっぱりダメだった!」
闇魔道士「ゆ、勇者、我の、我の仇(かたき)を……」
勇者「取ってやるからじっとしてろ!」
闇魔道士「取らなくていいから代わりにみそ汁のダシを……!」
勇者「まだ気にしてたのかよ!!」
魔法使い「勇者さん! 危ない!尻(しり)脳(のう)王(おう)です!!!」
勇者「どうした魔法使い!」
魔法使い「zzz……」
勇者「寝言かよ! 尻脳王って何なんだ!」
——メタルスライムの攻撃! 勇者に305号室の鍵(かぎ)を渡(わた)した!
勇者「ホテルのフロントか!」
魚の骨「ア——!」
勇者「うわっ! また出た!」
——メタルスライムの攻撃! 魚の骨はみそ汁のダシになった!
勇者「何しに出てきたんだお前は!」
魔法使い「うーん。勇者さんおはようございます」
勇者「はよ起きろ! 今メタルスライムが出てピンチなんだよ!」
魔法使い「うーん、むにゃむにゃ。えい」
——魔法使いの攻撃!メタルスライムに9999ダメージを与えた!
——メタルスライムは倒れた!
勇者「えー……」
魔法使い「さあ早くコイツの皮を剥(は)ぎましょう」
勇者「……」
魔法使い「勇者さん?」
勇者「あ、俺みそ汁作ってくるわ」
おわり
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