転生したら借金抱えてたので世界を救うことにしました!!

猫の達人

第1話

「かおり…かおり!!しっかり!!」


お母さんの声が遠い。まだ学校の課題だって終わってない。新作のサバゲーもやってないのに、


***


深山みやまかおりは看護学校に通う18歳。趣味はサバイバルゲームなどのゲーム全般。


1ヶ月前、交通事故に遭い昏睡状態となりその命を終えた。


***


「…ダ。ルダ…て。ルダ起きて。」


私は飛び起きる。私は死んだはずでは?ここは…病院にしては簡素だ。


「ここはどこですか?」


「訓練中に頭を打って倒れたのよ。まだ記憶が混濁してるのかしら。」


名札を見ると"保健師 ハミル"と。ここは保健室か。大方授業中に頭打って倒れたのか。でもハミルなんて先生いたっけ?


「とりあえず授業に戻ります。ありがとうございました。」


保健室の鏡を見ると迷彩柄のつなぎを着ている。なぜだろう。左胸にカードのようなものがある。


"国際防衛隊管轄 訓練大学校 3年 ルダ"


あれ?私は看護学校で看護を学んでいたはずだっんだけど。ルダも名前?


ちょっと混乱する…脳のキャパを超えそう…


私はまた倒れてしまった。


***


これは悪い夢?ルダという人物の生まれてからの記憶が蘇ってくる。


シャルツァ王国に住む8人家族の長女。家計が苦しく学費がかからない訓練大学校に進学。生まれた年数から年は18。しかし成績優秀により飛び級して現在は3年生。来年卒業予定。明日は実家に帰省する。電車の切符を買わなきゃ…帰省…家族…


ハッ!飛び起きる。明日実家に帰らなきゃ行けないんだ。


「ルダ?大丈夫かしら。今日は早退して早く寮に戻りなさい。私から先生に伝えておくから。」


「ありがとうございます!!」


初めての場所なのに何故か寮までの帰り方がわかる。さっきの夢のおかげか。


「ルダ!!体調は大丈夫かい。明日帰省だろ?」


寮長のエリュ陸曹だ。


「エリュ陸曹。本日は早退させていただきました。明日に備えて今日は休もうと思います。」


「うむ。よし、帰省期間は3日間だ。許可も降りている。ゆっくりしてこい。」


「ありがとうございます。」


身体が意図しなくても90度にお辞儀をする。いくら走っても身体は疲れない。訓練のおかげだろう。


今日はよく寝て明日に備えよう。


***


よし!記憶の上でしか会ってない家族に本当に会うぞ!!


電車に揺られて一気に田舎の方へ。


記憶によると家はここら辺。でも、跡形もない。あれ?記憶に頼りすぎた?


ご近所さんに聞いてみよう。


「すみません。ここら辺に家ありませんでした?タリスなんですけど…」


ご近所さんは気まずそうに言う。


「タリスさん家はねぇ…夜逃げしたじゃない、借金返せなくて」


え??夜逃げ?借金??


すると向かいから強面な男性2人組が来る。もしかしてカツアゲ?


「あんたタリスさん家の残りやろ。契約書あるから300万来週に耳揃えてかえせや」


借用書を見ると、父の名前が…しかも総額1000万、えっ?


「姉さん稼ぎ頭やんな。返してもらおうか」


転生した翌日にこの仕打ちはないでしょお_:(´ཀ`」 ∠):





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る