転生したら借金抱えてたので世界を救うことにしました!!
猫の達人
第1話
「かおり…かおり!!しっかり!!」
お母さんの声が遠い。まだ学校の課題だって終わってない。新作のサバゲーもやってないのに、
***
1ヶ月前、交通事故に遭い昏睡状態となりその命を終えた。
***
「…ダ。ルダ…て。ルダ起きて。」
私は飛び起きる。私は死んだはずでは?ここは…病院にしては簡素だ。
「ここはどこですか?」
「訓練中に頭を打って倒れたのよ。まだ記憶が混濁してるのかしら。」
名札を見ると"保健師 ハミル"と。ここは保健室か。大方授業中に頭打って倒れたのか。でもハミルなんて先生いたっけ?
「とりあえず授業に戻ります。ありがとうございました。」
保健室の鏡を見ると迷彩柄のつなぎを着ている。なぜだろう。左胸にカードのようなものがある。
"国際防衛隊管轄 訓練大学校 3年 ルダ"
あれ?私は看護学校で看護を学んでいたはずだっんだけど。ルダも名前?
ちょっと混乱する…脳のキャパを超えそう…
私はまた倒れてしまった。
***
これは悪い夢?ルダという人物の生まれてからの記憶が蘇ってくる。
シャルツァ王国に住む8人家族の長女。家計が苦しく学費がかからない訓練大学校に進学。生まれた年数から年は18。しかし成績優秀により飛び級して現在は3年生。来年卒業予定。明日は実家に帰省する。電車の切符を買わなきゃ…帰省…家族…
ハッ!飛び起きる。明日実家に帰らなきゃ行けないんだ。
「ルダ?大丈夫かしら。今日は早退して早く寮に戻りなさい。私から先生に伝えておくから。」
「ありがとうございます!!」
初めての場所なのに何故か寮までの帰り方がわかる。さっきの夢のおかげか。
「ルダ!!体調は大丈夫かい。明日帰省だろ?」
寮長のエリュ陸曹だ。
「エリュ陸曹。本日は早退させていただきました。明日に備えて今日は休もうと思います。」
「うむ。よし、帰省期間は3日間だ。許可も降りている。ゆっくりしてこい。」
「ありがとうございます。」
身体が意図しなくても90度にお辞儀をする。いくら走っても身体は疲れない。訓練のおかげだろう。
今日はよく寝て明日に備えよう。
***
よし!記憶の上でしか会ってない家族に本当に会うぞ!!
電車に揺られて一気に田舎の方へ。
記憶によると家はここら辺。でも、跡形もない。あれ?記憶に頼りすぎた?
ご近所さんに聞いてみよう。
「すみません。ここら辺に家ありませんでした?タリスなんですけど…」
ご近所さんは気まずそうに言う。
「タリスさん家はねぇ…夜逃げしたじゃない、借金返せなくて」
え??夜逃げ?借金??
すると向かいから強面な男性2人組が来る。もしかしてカツアゲ?
「あんたタリスさん家の残りやろ。契約書あるから300万来週に耳揃えてかえせや」
借用書を見ると、父の名前が…しかも総額1000万、えっ?
「姉さん稼ぎ頭やんな。返してもらおうか」
転生した翌日にこの仕打ちはないでしょお_:(´ཀ`」 ∠):
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